ううむ、これはいいなぁ。表紙だけでもいい感じだと思うでしょ?最初から最後までずっといいです。ずっとかわいく、ずっといい。で、表紙のこの「わたし」、勝手に犬だと思ってたらくまだった。
ふちの ところが ふさふさの
わたしの すてきな マントは ぼうしつき
こんな一文で始まるこの絵本、登場するのはこのくまさんと馬さんと猫さん2匹。東さんの言葉はシンプルでムダがなくなんだか暖かい。町田さんの絵は本当にかわいらしく、動物たちの表情がとても豊か!背景はムダな表現がなくシンプルだけど巧み。
雨が降っても雪が降っても風が吹いてもぼうしをかぶるくまさん。悲しくても恥ずかしくてもうれしくてもぼうしをかぶるくまさん。四季折々の美しい風景の中のくまさんと馬さんと猫たち。うん?だけど
だけど なつに なったなら
この後の展開がなんだか素敵だ。そして「おやすみなさい」で終わる最後の1ページ。紹介文に「小さな舞台を見るような可憐な動物たちのお話」ってあるのだけど、この舞台を見るようなシンプルさは最後の最後に理由が分かる。いいなぁ、巧いなぁ、かわいいなぁ。というわけでこれは大人も子供もうれしい今の時期にぴったりの絵本!おすすめです。
◆DATA 東直子:作 町田尚子:絵「わたしのマントはぼうしつき」1500円(税別)岩崎書店
◯特設サイトもあります!!
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)
きっとあなたもぼうしつきの
マントが欲しくなる。
◯町田尚子さん、他の絵本の感想はこちら!
2021.12.22 まずいぞ、いろんなことが進んでない。でも、ちょっと疲れ気味。どうする?読書は関川夏央「人間晩年図巻2000-03年」。
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