これはもう表紙からいいでしょう？ローラ・カーリンの絵は圧倒的に美しい。物語は「むかし、地球は みずみずしく、色にあふれていた。」という一行から始まる。そこに描かれているのはカラフルな景色。しかし、そこにいる鳥やラクダや虫たちは、
みんな ぼんやり くすんでいる。
そこで「えかきさん」は「なんとかしないと」と思い、すべての動物たちを呼び集めるのだ。腕まくりして絵の具箱を開けた「えかきさん」の奮闘と様々な動物たちが自らの色を得ていく様子がとにかくおもしろい。もぞもぞ動く小さな虫たちに始まって、シマウマ、キリン、ペンギン、フラミンゴ！想像してみてください。なんだか感じが分かるでしょう？さらにマンドリルのカラフルなお尻の秘密が語られた後はワニやゾウやカンガルー、ライオンなど単色の動物たちにグイグイぐいと色を付けていく。
そして、そして、やっと仕事が終わり家へ帰ろうとした「えかきさん」の前に現れるのが夕方の涼しさと夜の静けさが好きな小さな鳥。そう、タイトルのナイチンゲール！これから先はぜひぜひ読んで欲しいのだけど最後の数ページのなんと美しいことか！そして、金色の声で歌うナイチンゲールの歌が聞こえてくるような素敵なエンディング！
「えかきさん」って神様？創世神話のような、と扉にあったけれど、これはなんだかとても心に残る物語。ぜひ！
◯勝手に帯コピー（僕が考えた帯のコピーです）
◯他の気になる絵本の感想はこちら！
2022.3.31 あぁ、３月が終わってしまう。コロナ、また増えてきている。読書はルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」。
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