岩崎書店の「こんな子きらいかな」シリーズ第一期の3冊のうちの1冊。シリーズは2期6冊まで出ていて、他の絵本も気になる。岩崎書店はこのブログでも紹介している「死をめぐる絵本」シリーズも出していて気になる出版社だ。
さて、この絵本。読みたいと思ったのはブレイディみかこさんの「ぼくはイエローで〜」など最近のエッセイの表紙イラストを描いているのが中田いくみさんだからだ。中田さんのイラストはすごく好き!もちろん、タイトルも気になった。で、山下賢二さん、山下さんはあの「ガケ書房(今はホホホ座)」の人だ。そして、この絵本のエピソードは山下さんが夏葉社から出した「ガケ書房の頃」所収のものだという。つまり、実話、なんですかね。うむ。
表紙を開くとタイトルが載ったページ。そこに
クラスにへんなおとこのこがいる。そのこの こえをきいた ともだちは誰一人いない。
という一文が入ってる。少1の時、先生に聞かれても自分の名前が言えなかった山下くん、6年生になった今でも学校で一言もしゃべっていない。でも、山下くん、しゃべらないのに授業中はヘンな顔したりず〜っとふざけている。
さらに、合唱は口パク?参観日の作文発表の高等戦術?そして、そして、卒業式では…、後半はぜひぜひ読んで欲しいのだけど「こんな子きらいかな」シリーズは他を見てないから分からないけれど、いろいろな「こんな子」への理解を深め、きらいじゃない、に近づくような内容なんじゃないかと思う。今時の言葉でいえば「多様性」ってことなのかもしれないけれど。僕自身も中学生の頃にいたしゃべらない女の子のことを思い出しました。
◆DATA 山下賢二:作 中田いくみ:絵「やましたくんはしゃべらない」(岩崎書店)1600円(税別)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)
きみはやましたくんを
知っていますか?
◯エピソードが入った「ガケ書房の頃」はこちら!
◯他の木になる絵本の感想はこちら!
2022.4.16 暑い暑いと思ってたら寒い寒いになって、今日はううむ、春??読書はルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」。
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