コロナでずっと行けなかったので展覧会自体が久々。渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」へ。フィンランドのライフスタイルブランド・イッタラ創立140周年記念の大規模巡回展だ。Bunkamuraに限らず美術展を多く開催しているこういうスペースで、日常使いでもあるガラス器の展覧会というのはかなり珍しい。イッタラというブランドも知ってる人は知ってるだろうけれど、それほど人口に膾炙してはいないだろう。
僕自身、北欧の食器やガラス器は好きでよく見てるのだけど「あぁ、いいな」と思っても名前を覚えない。だからイッタラもちゃんと認識したことがなかった。Bunkamuraからのメールでビジュアルを見たら分かったけれど。でも、これ、行ってよかったぁ。やっぱり実物をちゃんと見るのは大事だわ。
構成が素晴らしい。4つのセクション。最初は代表的な作品を見せながら歴史を辿り、次に主だったデザイナーを紹介、3番目が「イッタラを読み解く13の視点」で素材、職人の技、基本のかたち、カラーなどを作品と共に解説していく。ここが一番ボリュームがあって、見応えもある。最後はイッセイ・ミヤケや隈研吾など日本との関係を紹介している。写真や映像などを交え過不足ない情報量でイッタラに詳しくない人にも
その魅力がしっかりと伝わる展覧会になっている。
イッタラのガラス器たちは決してアートではない。あくまで日常使いの物たちだ。デザイナーたちは美しさを追求しながらも使いやすさを忘れない。とはいっても機能美というのとはまた違うような気もする。そばに置く喜びがあり、長い間使い続けていたいという思いが溢れる。その原点となる様々なことがイッタラ展を見れば分かる。一つの器ができるまでにデザイナーや職人たちがどれだけ心血を注いでいるのか。
個人的にはカイ・フランクのガラス器と鳥のオブジェが好き。ティモ・サルパネヴァ、オイバ・トイッカの名前も覚えた。イッタラ展、11月10日まで。うん、ガラス器やうつわに興味がある人は行った方がいい。おすすめ!
◆DATA Bunkamuraザ・ミュージアム「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」
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