片岡さんと光文社の篠原恒木さんによるコラボのようなエッセイ集。コーヒーに関するエッセイは「珈琲が呼ぶ」がすでに出てるから第2弾ということになる。2人のコラボとしては4冊目の本だ。もちろんどれもおもしろいし、片岡さんの篠原さんへの信頼が随所で感じられなんだかうれしくなる。
今回収録されているのは52編の書き下ろしエッセイ。そして「謎なら解いてみて」という短編小説がちょうど真ん中辺りに収められている。この短編がすこぶるおもしろい。タイトルからはちょっと想像できない内容。あぁ片岡さんの小説だなぁ、と思わずにはいられない物語だ。男女のことも出てきたりするが、ベタッとしてないのがいい。しかも、この小説のメイキングというか、メイキングエッセイまである。ふふふ。
珈琲エッセイの方はまさに多種多様。音楽に映画に本に役者に文具に。珈琲がメインになっている話もあればなんだかムリクリくっつけたような話もある。しかし、片岡さんって昭和の古い歌とか変に詳しかったりするよなぁ。アレは一体何なんだろう?とにもかくにも片岡エッセイはおもしろいし、とてもとてもタメになる。僕みたいに読んだ先から忘れちゃう人間にはもったいない話ばかりだ。時々挿入されてる写真もいいぞ。さて、珈琲、読む前に飲むか、読みながら飲むか、読んでから飲むか。僕は全部!あ、表紙のこの題字、平野甲賀さんのが使えたんだって!!
◆DATA 片岡義男「僕は珈琲」(光文社)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)