さて、出た本。文庫化です。山本文緒さん「無人島のふたり」、新潮文庫から出ました。2021年に58歳で亡くなった山本さんの最後の日々を綴ったダイアリー。副題は「120日以上生きなくちゃ日記」です。
山本さんの後期の作品を読んでファンになったのですが、その死は本当にショックでした。これも読もうかどうしようか散々迷ったのですが、読むことに。その辺りは僕の書評に書いてあるのでちょっと読んでみてください。
ファンの方でこれはちょっと読めないという人も多いのではないかと思います。読む気になった人は文庫化を機にどうぞ。
独特の世界観が好きな小川洋子、新作「耳に棲むもの」(10/10)出ます。まずは、アマゾンの紹介文を。
耳の中に棲む私の最初の友だちは
涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれるのです。
補聴器のセールスマンだった父の骨壺から出てきた四つの耳の骨(カルテット)。
あたたかく、ときに禍々しく、
静かに光を放つようにつづられた珠玉の最新作品集。
オタワ映画祭VR部門最優秀賞・アヌシー映画祭公式出品
世界を席巻したVRアニメから生まれた「もう一つの物語」
最後にVRアニメから生まれた、とありますが、アニメはオスカーにノミネートされた「頭山」などでおなじみの山村浩二の監督作品。岡田将生などが声を担当しています。VRの説明で「小川洋子がVR作品のために書き下ろしたオリジナル原作」とあり上の紹介で「もう一つの物語」とあるので、アニメと小説の関係も気になります。
◯VRアニメについては以下の2つを
もう1冊、酒井駒子「子どもに贈るバースデイブック」(10/11)も出ます。これは子供が産まれたお母さんへのプレゼントにいいかも。酒井さんの絵は大好きです。
はじめて笑ったときのこと、夢中になって遊ぶ姿…… 子どもとのたのしい思い出や成長を祝う気持ちを、誕生日をきっかけに、書きとめてみませんか?
この本は、子どもをむかえる前後からその子が巣立つまでを、20の手紙のかたちでつづる、メッセージブックです。酒井駒子の絵をたのしみながら、ひとりで・子どもやだれかと書く、写真や子どもが描いた絵をはるなど、自由にお使いいただけます。
10歳までは、子どもの「すきなこと」もメモできる仕組みです。「はじめて記念日」「ゆかいなおしゃべり」「おきにいりの本」など、その子の成長と個性があらわれる場面を記録するコーナーも。子どもからの「小さい頃の自分はどんなだった?」という質問にこたえる記録としても、ご活用いただけます。
書きおえたあとは、子どもへの贈りものに。書き手のあたたかなまなざしは、手書きの文字とともに、本のなかで生きつづけることでしょう。
◯これまでの「出る本、出た本」はこちら!