「おれはもうおじさんではなく、おじいさんだ」―様々な思いをおきざりにして生きてきた長坂誠、65歳。その運命の歯車が或る姉弟との出会いから動き出す。おきざりにされた者など、いない。生きていくかぎり、ささやかでも希望が生まれ、その旅は続いてゆくから。吉田拓郎の名曲にのせて贈る、昭和の香り漂う令和の物語。
昭和の香り漂う令和の物語、って!原田さんは原田マハさんのお兄さん。タイトルは書いてある通り吉田拓郎の歌です。いずれにしてもこれ、気になる!
もう1冊、出た本。文庫化です。北村薫「中野のお父さんの快刀乱麻」(11/6)出ました。中野のお父さんはシリーズになっててこれは3作目。今年の2月に4作目が単行本で出ています。北村さんの小説は文学や芸能などなどその博識を活かした物語が多いのですが、このシリーズもそう。父と娘のやりとりがなかなか楽しい推理モノです。アマゾンの紹介文を。紹介文を読むと文学好きは読みたくなりますよ。うむ。
出版社の日常に潜む「謎」に挑む人気シリーズ第3弾!
高校国語教師で愛書家の「お父さん」と、娘で体育会系文芸編集者・田川美希(文宝出版の「小説文宝」編集部勤務)の“名探偵コンビ”が、またまた大活躍。
■「大岡昇平の真相告白」
ベストセラー小説『武蔵野夫人』という題名に「夫人」と付けたのは誰か。名作誕生の裏側にあった秘話。
■「古今亭志ん生の天衣無縫」
“自由人”は表向きの姿? 「蚊帳売りの詐欺師」のエピソードから志ん生の意外な一面が明らかになっていく。
■「小津安二郎の義理人情」
小津映画の原作者としても知られる作家・里見弴。しかし、原作と映画の内容があまりに違いすぎる……。
■「瀬戸川猛資の空中庭園」
ミステリと映画の評論で鋭い著作を残した瀬戸川。彼が学生時代に書いた映画『動く標的』の評論と映像を比べてみると……。
■「菊池寛の将棋小説」
異色の作品で出会った江戸時代の棋譜の謎。先崎学九段と室谷由紀女流三段が読み解いていくと……。
■「古今亭志ん朝の一期一会」
落語「三軒長屋」のCDを探す未亡人が、本当に聞きたかった音とは? 資料と音源を探っていった先に見えた真実。
父と娘のユーモアたっぷりの会話から、名推理が生まれていきます。
◯これまでの「出る本、出た本」はこちら!