さて、出た本。俵万智「生きる言葉」出ました。う〜ん、これは真っ先に紹介するべきなんだけどなぁ。情報に引っかからなかった。新潮新書です。ちょっと長いですがアマゾンの紹介文を。
スマホとネットが日常の一部となり、顔の見えない人ともコミュニケーションできる現代社会は、便利な反面、やっかいでもある。言葉の力が生きる力とも言える時代に、日本語の足腰をどう鍛えるか、大切なことは何か――恋愛、子育て、ドラマ、歌会、SNS、AIなど、様々なシーンでの言葉のつかい方を、歌人ならではの視点で、実体験をふまえて考察する。
【目次】
はじめに
1 「コミュ力」という教科はない
ヘレン・ケラーの「WATER」 絵本は生身のコミュニケーションツール 自然の中で「めいっぱい遊ぶ」 山奥の全寮制中学 過不足なく気持ちを伝える 言葉の力を鍛えてくれるもの 渋柿を甘くする知恵 スマホなしの中高時代 「みんな仲良く」と言われ続けて
【コラム】10才のひとり旅
2 ダイアローグとモノローグ
「それはでも、あれじゃないか」 つかこうへいさんの稽古場 野田秀樹さんの稽古場 同じ言葉を違う文脈で 「愛の不時着」リ・ジョンヒョクの言葉
【コラム】心の中の音楽を
3 気分のアガる表現
ラップも短歌も言葉のアート 夢中・得意・努力 息子との様々な言葉遊び 相手へのリスペクト 日本語ラップの独自の土壌 句またがり的韻踏み 日本語をリズミカルにする魔法
【コラム】川原繁人先生との出会い
4 言葉が拒まれるとき
思いがけない反応 クソリプに学ぶ しゃべる家電たち
【コラム】詩が日常にある国
5 言い切りは優しくないのか
何でもハラスメント マルで終わる日本語 「曖昧表現が好き」という感覚 いろいろな「界隈」 言葉の輪郭を曖昧にする「も」
【コラム】流行語の難しさ
6 子どもの真っすぐな問いに答える
本質を突いてくる質問 【なんで悲しいときに涙が出るの?】【説明できないわからない気持ちがあるのはなんで?】【人間はどうして勉強しなきゃいけないの?】他
【コラム】賢い人って、どういう人?
7 恋する心の言語化、読者への意識
ヒコロヒー『黙って喋って』の魅力 塩梅が大事 どういう状況で読まれるか 言葉のマジック
【コラム】河野裕子の恋の歌
8 言葉がどう伝わるかを目撃するとき
歌会のススメ 読者が参加して完成する 歌うに値する体験
【コラム】「夜の街」から生まれた『ホスト万葉集』
9 和歌ならではの凝縮力と喚起力
最重要のコミュニケーションツール 一生かけての答え合わせ 『枕草子』にみる美意識 『源氏物語』という装置 和泉式部、尋常でない言葉のセンス 「宿ってしまった歌」とは 道長の「あの一首」
【コラム】短歌の現場、言葉探しの旅
10 そこに「心」の種はあるか
1から100より0から1を 万智さんAI AIの優しさにグッときて やるじゃないか、AI 作品の価値を決めるもの
11 言葉は疑うに値する
「贅沢」を感じられる言葉遣い 谷川俊太郎さんのこと
おわりに
いやいやいや、ムチャクチャおもしろそうじゃないですか。言葉に関するエッセイ!これは読まなくちゃなぁ。最終章のAIの話も気になる。
◯新潮新書からはすでに俵さんの短歌の本が2冊出ています。これも必読!
出た本、もう1冊。ジュンパ・ラヒリ「翻訳する私」出ました。「その名にちなんで」「見知らぬ場所で」などの世界的作家の最新エッセイ。こちらは言語に関する話だ。まずはアマゾンの紹介文を。
自分自身をべつの言葉に置き換え、変化を恐れずに生きてきた――。ベンガル人の両親のもとロンドンで生まれ、アメリカで育った著者は、幼い頃から自らや家族のことを、頭のなかで常にベンガル語から英語に「翻訳」してきた。大人になってから習得した最愛の言語・イタリア語に見出した救い、創作のインスピレーションだった母の看取りなど、自身の半生をひもときながら綴られる、小説を書くことを鼓舞してくれる「翻訳」について考えたこと。
最初英語で小説を書いて高い評価を受けた彼女だが、2012年にイタリアに移住してから、なんとイタリア語で物語を書き出したのだ。「翻訳する私」というタイトルにとても深いものを感じる。これも読まないと。
◯ジュンパ・ラヒリの他の本の書評はこちら!
◯これまでの「出る本、出た本」はこちら!