2023年に出た「師匠はつらいよ 藤井聡太のいる日常」に続いて今年8月に出たシリーズ2作目。週刊文春連載の101~200回分と2つの番外編、さらに有働由美子さんとの対談が収められている。期間としては2023年5月から今年5月までのものだ。
第1作でも書いたのだけど藤井聡太名人の師匠である杉本昌隆八段、とにかく文章がうまい。ユーモアやウィットに富んでいるその文章は名人級!将棋や弟子をはじめとする棋士たちへの愛に溢れていて、将棋ファンでなくても読みたくなる。
さてさて、この連載の間に弟子である藤井聡太は全冠制覇、そして、史上初の八冠を達成している(今は六冠になっちゃったが)。この一大事について書かれた文章、凱旋記者会見で「落ち着く場所は?」と聞かれた八冠が「師匠の将棋研究室」と答えたのに対して「(今、あの建物の資産価値が上がったんじゃないか?)」と思っちゃう師匠。「ああ、心の汚れた大人って嫌だねえ」なんて書いている。こういう感動的な場面で自虐的とも言えるユーモアが飛び出してくるところがこの人の真骨頂!いいぞ。
他にも女性の弟子への接し方で悩んだり、年賀状の文章で考え過ぎたり、バレンタインのチョコレートでガッカリしたりといろいろおもしろい。もちろん、将棋の話題、藤井名人の話も盛り沢山で将棋ファン、藤井ファンは必読。あ、有働さんとの対談では自身の将棋歴や師匠になった(弟子を取ることにした)理由、奥さんとの馴れ初めなども話していてこちらも必読だ。
◆DATA 杉本昌隆「師匠はつらいよ2 藤井聡太とライバルたち」(文藝春秋)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)