さてさて、糸井さんが「ほぼ日」の巻頭に毎日書いているエッセイ「今日のダーリン」、1日で消えちゃうのでもう見られないのですが、12日はこんな話でした。引用しちゃっていいのかな?ちょっと迷うところですが、引用しちゃいますね。(もしダメなら関係各位、教えてください)
佐世保では、もうひとつ大事な用事があった。
先日、直木賞受賞で話題になった佐世保在住の作家、
佐藤正午さんと食事をするということだった。
もちろん、作家と面識があるわけもなく、
少しだけ聞こえてきた話によれば、
佐藤正午さんという方は対談もしないということだ。
それでも、昼食の時間に会いましょう
ということになったのは、どうしてなんだったっけと、
現地でぼくが確認するくらい、あり得ないことだった。
よくよく考えると、ぼくは、かつて、
佐藤正午さんの『鳩の撃退法』という上下巻の小説を、
むさぼるように読んだことがあった。
正月の、気持ちに余裕のあるときだったので、
こういうときには小説でもどうだろうと読みはじめたら、
おもしろいおもしろい、とにかく文章がいいのだ。
文章を書いていることを、この作者は、
うれしくてしょうがないのだろうなと思えた。
将棋やスポーツの世界には、
その競技をしていること自体がうれしくてしょうがない
というふうに見える人たちもいるけれど、
文章を書くことにも、そういう人はいるのだと思った。
体操の選手の神業のような演技を見るように、
ぼくは憧れに似た気持ちで、この小説を読んだのだった。
そして、その感想をツイッターに書いたのだったかな。
その、ぼくの短くも拙い感想を、
作者ご当人と編集の方が目に留めてくれて、
近々文庫化する『鳩の撃退法』の解説を書かないかと、
お誘いをくださったのだった。
もちろん、ふだんならお断りする。
「わしのようなものにはようわかりませんわ」という、
例の川藤幸三さんの考えで、ご遠慮もうしあげるのだが、
今回は、なぜか、「死ぬまでに一度くらいは、
小説の解説を書くというような分不相応な苦労を
したほうがよいのではないか」と思ってしまったのだ。
(ぐだぐだ長くなるので、大幅に中略します)
だから、いまでもいいし文庫になってからでもいいから、
『鳩の撃退法』を読むとおもしろいぞ、ということだ。
いずれ、この対談も「ほぼ日」に掲載される予定です。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
佐世保への旅、どっさりのお土産をいただいてきたなぁ。
(ほぼ日刊イトイ新聞「今日のダーリン」10月12日より)
というわけで、この「今日のダーリン」で分かったことは
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