また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.10/3週)

 さてさて、出る本。大好きなヨシタケシンスケの絵本「こねてのばして」(10/19)出ます。スキンシップをテーマにした絵本で「ヨシタケ史上、いちばんシンプルで読みやすい」を合言葉にして作ったとか。横長というのもいいな。楽しみ!!

 

○ヨシタケさんの記事や他の本の感想はこちら


 同じブロンズ新社から同日発売になるのが、アーティストとして有名な鈴木康広の絵本「りんごとけんだま」(10/19)。前作の「ぼくのにゃんた」がとてもおもしろかったので注目しています。アーティストらしい発想と絵が素晴らしい。今回も期待度大です。

 

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【BOOK NEWS】楽しみ!佐藤正午×糸井重里対談、そして、「鳩の撃退法」文庫化

 さてさて、糸井さんが「ほぼ日」の巻頭に毎日書いているエッセイ「今日のダーリン」、1日で消えちゃうのでもう見られないのですが、12日はこんな話でした。引用しちゃっていいのかな?ちょっと迷うところですが、引用しちゃいますね。(もしダメなら関係各位、教えてください)

 

 

 佐世保では、もうひとつ大事な用事があった。

 先日、直木賞受賞で話題になった佐世保在住の作家、

 佐藤正午さんと食事をするということだった。

 もちろん、作家と面識があるわけもなく、

 少しだけ聞こえてきた話によれば、

 佐藤正午さんという方は対談もしないということだ。

 それでも、昼食の時間に会いましょう

 ということになったのは、どうしてなんだったっけと、

 現地でぼくが確認するくらい、あり得ないことだった。

 

 よくよく考えると、ぼくは、かつて、

 佐藤正午さんの『鳩の撃退法』という上下巻の小説を、

 むさぼるように読んだことがあった。

 正月の、気持ちに余裕のあるときだったので、

 こういうときには小説でもどうだろうと読みはじめたら、

 おもしろいおもしろい、とにかく文章がいいのだ。

 文章を書いていることを、この作者は、

 うれしくてしょうがないのだろうなと思えた。

 将棋やスポーツの世界には、

 その競技をしていること自体がうれしくてしょうがない

 というふうに見える人たちもいるけれど、

 文章を書くことにも、そういう人はいるのだと思った。

 体操の選手の神業のような演技を見るように、

 ぼくは憧れに似た気持ちで、この小説を読んだのだった。

 そして、その感想をツイッターに書いたのだったかな。

 その、ぼくの短くも拙い感想を、

 作者ご当人と編集の方が目に留めてくれて、

 近々文庫化する『鳩の撃退法』の解説を書かないかと、

 お誘いをくださったのだった。

 

 もちろん、ふだんならお断りする。

 「わしのようなものにはようわかりませんわ」という、

 例の川藤幸三さんの考えで、ご遠慮もうしあげるのだが、

 今回は、なぜか、「死ぬまでに一度くらいは、

 小説の解説を書くというような分不相応な苦労を

 したほうがよいのではないか」と思ってしまったのだ。

 (ぐだぐだ長くなるので、大幅に中略します)

 だから、いまでもいいし文庫になってからでもいいから、

 『鳩の撃退法』を読むとおもしろいぞ、ということだ。

 いずれ、この対談も「ほぼ日」に掲載される予定です。

 

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。

佐世保への旅、どっさりのお土産をいただいてきたなぁ。

    

   (ほぼ日刊イトイ新聞「今日のダーリン」10月12日より)

 

というわけで、この「今日のダーリン」で分かったことは

 

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【絵本/感想】ミロコマチコ「まっくらやみのまっくろ」-タイトルだけでもうミロコマチコ・ワールド!傑作の予感!!

 あぁ、もうこのタイトルがミロコマチコ・ワールドだよなぁ、と思うし、傑作の予感がしてしまう。彼女の絵本はいつもタイトルが素敵だ。

 

 最初の見開きは、ほぼまっくろ。そこにこんな言葉が添えられている。

 

まっくろは なによりも まっくろで 

いったい じぶんが なんだか わからなかった

 

まっくろの中に「なにか」がある。次の見開きも、ほぼまっくろ、

 

あたりも まっくらで 

せかいと じぶんの みわけが つかない

でも からだの まんなかが あつくて 

ふつふつ ちからが みなぎってくる

 

 

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【映像化】地上波再放送も決定!カズオ・イシグロ原作「わたしを離さないで」

TBS地上波での再放送も決まりました。番組ツイッターからの情報です。

 

1話 10/18(水)26:35~27:45 2話 10/19(木)27:05~28:00

3話 10/20(金)27:07~28:00 4話 10/23(月)26:35~27:30

5話 10/24(火)26:45~27:45 6話 10/25(水)26:35~27:30

7話 10/26(木)27:05~28:00 8話 10/27(金)27:07~28:00

9話 10/28(土)27:08~28:00 10話 10/30(月)26:20~27:20

 

初回は水曜日深夜(実際は木曜日)なのでお間違いなく!

 

CSでの再放送情報の中でドラマについてはくわしく書いています。

 

小説もぜひぜひ読んでね!

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.10/2週)

  さて、出る本。注目は川上弘美「森へ行きましょう」(10/11)。日経新聞夕刊に連載された小説です。パラレルワールドに生きるふたりの女性が主人公の「愛と結婚を描いた長編小説」。ううむ、これは楽しみ!!おっ、表紙もいいぞ。

 

 盛田隆二「焼け跡のハイヒール」(10/11)も気になる一冊。「父よ、ロング・グッドバイ 男の介護日誌」で両親の晩年の姿を描いた筆者が、彼らの出会いと青春を描いた物語です。ぜひ、読みたい。

 

 すでにお伝えしましたが、ノーベル賞受賞のうれしい影響でカズオ・イシグロの「忘れられた巨人」(10/14)の文庫化が早まりました。詳しくは下の記事を読んで欲しいのですが、もし彼の小説を一冊も読んだことがないのならこの小説から入るのはあまりおすすめできません。おもしろいんですけどね。

 


 

 さらに文庫化が2冊。北村薫の「太宰治の辞書」(10/12)は、2年前に出た《私》シリーズの最新刊。芥川龍之介や太宰治ファンにはたまらない話です。ただ、これはやっぱりシリーズの最初から読んで欲しいなぁ。旧ブログですが、僕の書評はこちら。


 

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【文学賞】第8回「山田風太郎賞」ノミネート作品が発表になりました

 ノーベル賞騒動?で忘れちゃうところでしたが、山田風太郎賞の候補作品が発表になりました。またまた僕は全部未読ですが、話題作が揃っています。どの物語が取るのかなぁ?去年は塩田武士「罪の声」でした。あれはおもしろかった。さて、ノミネート全5作です。

 

 

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【映像化】カズオ・イシグロ原作ドラマ「わたしを離さないで」再放送、決定!

 おぉ、TBSラッキーですね。昨年の冬ドラマだったカズオ・イシグロ原作の「わたしを離さないで」、10月14日、15日にTBSチャンネル2で再放送されることが急遽決まりました。TBSチャンネル2はCSのチャンネルでスカパーやケーブルテレビに入っている人は見られる可能性が高いチャンネルです。ぜひ、チェックしてみてください。

 

 このドラマ化、もちろん賛否両論ありましたが、僕はけっこうおもしろく見ました。主役の3人、綾瀬はるか、三浦春馬、水川あさみはとてもよかったです。放送当時出した僕のメルマガにはこんなことを書いています。

 

「わたしを離さないで」で驚くのは、原作を思い切りよく変えている

こと。この世界名作文学級の傑作を…脚本家の森下佳子すごいなぁ。

ここまでいじるのはかなり勇気がいること。原作者のカズオ・イシグ

ロもそれを許してるわけで、これもまたすごい。気になるのは、原作

よりも水川あさみが演じる役のいじわるさが際立っているので、それ

が本来のテーマを壊さないか。そのバランスが今後の見どころだと思

います。

 

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