また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

■ま行の作家

【書評】宮島未奈「成瀬は信じた道を行く」ーこれもしかしたら本屋大賞受賞の前作「成瀬は天下を取りにいく」より格段いいんじゃないか?

成瀬は信じた道をいく posted with ヨメレバ 宮島 未奈 新潮社 2024年01月24日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 先月発表された本屋大賞で大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」の続編。しかし、うううむ、これは…

【映像化】本屋大賞受賞、映画にもなった三浦しをん「舟を編む」がドラマに!18日からNHK BSで全10回!

舟を編む posted with ヨメレバ 三浦しをん 光文社 2015年03月12日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 辞書編集人を主人公にして本屋大賞も受賞した三浦しをんの傑作「舟を編む」がNHK BSでドラマになります。タイトルは…

【書評】宮部みゆき「青瓜不動 三島屋変調百物語九之続」ー背後にあるおちかの産み月と富次郎の描くことへの苦悩、この2つが物語全体に大きな厚みを与えている

青瓜不動 三島屋変調百物語九之続 posted with ヨメレバ 宮部 みゆき KADOKAWA 2023年07月28日 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 「三島屋変調百物語」の9巻目。表題作を含めて4つの物語が収録されている。聞き手がおち…

【BOOK NEWS】宮島未奈、10万部突破のヒット作「成瀬は天下を取りに行く」の続編、「成瀬は信じた道をいく」1月24日発売決定!これは楽しみ!!

©︎新潮社 大ヒットした宮島未奈の「成瀬は天下を取りに行く」、続編の刊行が決定しました。タイトルは「成瀬は信じた道をいく」。またあの主人公、成瀬あかりに会えるのは嬉しい限りです。ま、続編出るだろうなぁ、とは思ってましたが。

【書評】宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」ー主人公は成瀬あかりという女子中学生。しかし、この物語の中心には西武大津店という実在したデパートがある!

成瀬は天下を取りにいく posted with ヨメレバ 宮島 未奈 新潮社 2023年03月17日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す この小説のおもしろいところは西武大津店という実在したデパートが主役になっているところだ。タイト…

【書評】村上春樹「街とその不確かな壁」ーこれは壁の内と外の物語であり、影とその本体の物語。作者が繰り返し問い続けているその問いが読む私たちにもまた突きつけられる

街とその不確かな壁 posted with ヨメレバ 村上 春樹 新潮社 2023年04月13日 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 全体は3部に分かれている。1部は17歳の「ぼく」と一つ下の「きみ」の話、そして、壁に囲まれた街で夢読み…

【書評】宮部みゆき「よって件のごとし」ー神田・三島屋の風変わりな百物語もシリーズ8巻目。全3話と少ないがどの話も内容が濃く、すこぶるおもしろい!

よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続 posted with ヨメレバ 宮部 みゆき KADOKAWA 2022年07月27日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 「三島屋変調百物語八之続」とサブにあるようにこのシリーズも8巻目。江戸・神…

【書評】宮部みゆき「子宝船 きたきた捕物帖(二)」ー宮部みゆきが初めて「捕物帖」と名付けたシリーズの2冊目。生き生きと描かれる登場人物がなんとも魅力的だ!

子宝船 posted with ヨメレバ 宮部 みゆき PHP研究所 2022年05月26日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 宮部さんが長い作家生活の中で初めて「捕物帖」と名付けたシリーズの第2弾。前にも書いたと思うが宮部みゆきは各…

【書評】燃え殻「これはただの夏」-2018年夏の数日間の物語。彼はひとりの女性とひとりの女の子と出会った。そして…

これはただの夏 posted with ヨメレバ 燃え殻 新潮社 2021年07月29日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す 楽天koboで探す Amazonで探す Kindleで探す 燃え殻の初めての小説「ボクたちはみんな大人になれなかった」は2017年の年間マイベストの2位に…

【書評】松家仁之「泡」ーその夏、東京を離れ大叔父がジャズ喫茶を開く町へ、薫は1人やって来た

泡 posted with ヨメレバ 松家 仁之 集英社 2021年04月05日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す 楽天koboで探す Amazonで探す Kindleで探す 帯に「最初で最後の青春小説」とある。松家さんは寡作の人だから青春小説はこれ一作で十分と考えたのだろう…

【書評】松田青子「持続可能な魂の利用」-この「おじさん」の国に強く鋭い言葉たちが放たれる!松田青子も彼女が紡ぐ物語もとんでもない!!

持続可能な魂の利用 posted with ヨメレバ 松田 青子 中央公論新社 2020年05月20日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 少女たちから「おじさん」が見えなくなる。そんな衝撃的なプロローグから始まる物語。これはもうと…

【書評】宮部みゆき「きたきた捕物帖」-これ1冊がプロローグ!宮部みゆきの「捕物帖」がついに始まった!!

きたきた捕物帖 posted with ヨメレバ 宮部 みゆき PHP研究所 2020年06月01日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 帯に「私がずっと書きたかった捕物帖です」と作者の言葉がある。もちろん宮部みゆきは捕り物もの?もいろ…

【書評】村上春樹「一人称単数」-8つの短編が奏でるのは人と記憶の不確かな物語

一人称単数 村上 春樹 文藝春秋 2020年07月18日 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す by ヨメレバ 小説家・村上春樹にとって人称の問題は大きい。そういう「縛り」があることが大切だと川上未映子によるインタビューの中でも…

【書評】村上春樹・川上未映子「みみずくは黄昏に飛びたつ」-訊いても訊いても、なんだか深い!

Amazonで探す 楽天ブックスで探す 正式なタイトルは「みみずくは黄昏に飛びたつ:川上未映子 訊く/村上春樹 語る」。川上さんによる村上さんへのインタビュー集だ。第1章は2015年7月に行われ、同年10月発売の雑誌「MONKEY Vol.7」に掲載されたもので、内容…

【エッセイ/書評】村上春樹「猫を棄てる-父親について語るとき」-これは戦争で人生を狂わされた一人の男の話

Amazonで探す 楽天ブックスで探す 「猫を棄てる」というタイトルに違和感があった。父親の戦争体験の話だと聞いていたからだ。2つの猫の話に挟まれて父親のことが語られる。この構成がいかにも村上春樹らしい。最初の猫は棄てられたのだが棄てに行った村上…

【書評】宮部みゆき「さよならの儀式」-宮部みゆきらしさが溢れる8つの物語からなるSF短編集

Amazonで探す 楽天ブックスで探す 8つの物語を収録した宮部みゆきのSF短編集。ご存知のように彼女は多彩なジャンルに挑戦している作家だが、SFでも「蒲生邸事件」「龍は眠る」「クロスファイア」などの傑作がある。「蒲生邸事件」では日本SF大賞も受賞して…

【書評】村田沙耶香「丸の内魔法少女ミラクリーナ」-やっぱりこの人からは目が離せない!4編収録の短編集

丸の内魔法少女ミラクリーナ(1) posted with ヨメレバ 村田 沙耶香 KADOKAWA 2020年02月29日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 個人的に村田沙耶香には注意報が発令されている。クレイジー沙耶香の毒気に当たるとなん…

【書評】せきしろ×又吉直樹「カキフライが無いなら来なかった」-自由律俳句、入門編としてピッタリの一冊!

せきしろ×又吉直樹「カキフライが無いなら来なかった」 ツイッターのフォロワーの人が時々自分の自由律俳句をツイートしていて、おもしろいな、と思っていた。自由律というのはその名の通り五七五にこだわらず季語などもない俳句のことだ。ちょっと興味があ…

【書評】宮部みゆき「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」-圧巻の表題作!神隠しにあった6人の老若男女の運命は?

宮部みゆき「黒武御神火御殿」 「三島屋変調百物語」シリーズの6巻目。三島屋の「黒白の間」で不思議な物語を聞く、その聞き手が今回、主人の姪で心に傷を持つおちかから三島屋次男の富次郎へと代わった。この交代は作者としてはかなり勇気がいるところ。富…

【書評】村田沙耶香「生命式」-クレイジー沙耶香、またまた全開!?12の作品を収録した最新短編集!

村田沙耶香「生命式」 いやいやいやいや、これまたクレイジー沙耶香全開の短編集。表題作の「生命式」が最初に入ってるのだけど、これがなんとも強烈で度肝を抜かれる。帯に「文学史上、最も危険な短編集」とあるけれど、まぁそれほどではないがなんだかヤバ…

【書評】宮部みゆき「昨日がなければ明日もない」-3つの苦い物語。その苦さの中にこそ「人間」がいる!

Amazonで探す 楽天ブックスで探す 杉村三郎シリーズの第5弾。「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」までは大会社のムコ殿という立場で素人探偵だった彼が、前作の「希望荘」から私立探偵になり、事務所を開く。今回の「昨日がなければ明日もない」が私立…

【書評】村田沙耶香「地球星人」-ここまでいっちゃう村田沙耶香という小説家が恐ろしい!

地球星人 posted with ヨメレバ 村田 沙耶香 新潮社 2018-08-31 Amazonで探す 楽天ブックスで探す これ、とんでもないなぁ。とんでもないというのは、すごい小説だということももちろんあるのだけど、なんだかとてつもなくてよく分からないという意味合いも…

【書評】宮崎駿監修 スタジオジブリ編「トトロの生まれたところ」-そうか所沢ってこんな場所だったのか

トトロの生まれたところ posted with ヨメレバ 宮崎 駿 岩波書店 2018-05-30 Amazonで調べる 楽天ブックスで調べる トトロの生まれたところ、って一体どこなのかといえば、宮崎監督が住んでいる所沢のことだ。「となりのトトロ」の最初のタイトルはなんと「…

【書評】宮部みゆき「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」-第一期完結!大団円に向けての作者の周到さに唸る

Amazonで探す 楽天ブックスで探す 最初は角川から出た「おそろし」、さらに中央公論新社の「あんじゅう」、文藝春秋の「泣き童子」、日本経済新聞社の「三鬼」と出版社を変えて続いてきた宮部みゆきの「三島屋変調百物語」。5巻目は角川に戻り、これでシリ…

【書評】町田そのこ「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」-この世界を上手に泳ぐことができない愛しき魚たちの物語!

夜空に泳ぐチョコレートグラミー posted with ヨメレバ 町田 そのこ 新潮社 2017-08-22 Amazon Kindle 楽天ブックス 第15回「女による女のためのR-18文学賞」で大賞受賞の「カメルーンの青い魚」を含む全5編の連作短編集。R-18は窪美澄を筆頭に吉川トリコ、…

【書評】松家仁之「光の犬」-一族三代の「営み」を見つめ、「生」を語り「死」も語る傑作小説!

光の犬 posted with ヨメレバ 松家 仁之 新潮社 2017-10-31 Amazon 楽天ブックス 物語は「添島始は消失点を背負っていた」という印象的な一行から始まる。これは北海道東部の架空の町・枝留(えだる)で暮らす添島家の一族三代の物語だ。一番若い世代が始と…

【映像化】映画「羊と鋼の森」、あの双子の姉妹を演じるのはこの2人!

羊と鋼の森 posted with ヨメレバ 宮下 奈都 文藝春秋 2015-09-11 Amazon Kindle 楽天ブックス 宮下奈都の本屋大賞受賞作「羊と鋼の森」が映画化されることはすでにこのブログでも紹介しました。ピアノの調律師をめざす主人公の外村には山崎賢人、外村を導く…

【書評】宮部みゆき「この世の春」-凍え死にそうな冬の季節を生き延びたひとつの魂の物語

Amazonで探す 楽天ブックスで探す 最初から緊張感のある場面が続き、読み進めていくうちに状況がわかってくる。そして、この物語の核となる部分が明らかになる。いやぁ、驚いた。江戸時代を舞台にこういうテーマで小説を書くのか?これを思いついた時、さす…

【文学賞】第27回Bunkamuraドゥマゴ文学賞は松浦寿輝「名誉と恍惚」に決定!

名誉と恍惚 posted with ヨメレバ 松浦 寿輝 新潮社 2017-03-03 Amazon Kindle 楽天ブックス ドゥマゴ文学賞は1人の選考委員によって選ばれるのが大きな特徴ですが、今回は評論家でエッセイストでもある川本三郎さんが選んだ松浦寿輝さんの「名誉と恍惚」に…

【書評】燃え殻「ボクたちはみんな大人になれなかった」-これは今年のマイベストになるかもしれない

ボクたちはみんな大人になれなかった posted with ヨメレバ 燃え殻 新潮社 2017年06月30日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す ううむ、不思議だなぁ。特にスタイルが新しいわけでもなく、内容が奇抜なわけでもない。それなのに強烈に心惹かれる…