また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

■た行の作家

【書評】俵万智「アボカドの種」ー全375首の第七歌集。タイトルにつながる一首に強く強く惹かれる!

アボカドの種 posted with ヨメレバ 俵 万智 角川文化振興財団 2023年10月30日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 「あとがき」によると「歌集をまとめようと思うタイミングは、ふいに訪れる」そうだ。この歌集のきっか…

【書評】高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」ー芥川賞受賞作!職場という狭い空間で起こる人間関係と人間自身のリアル!高瀬隼子はやっぱりすごい!!

おいしいごはんが食べられますように posted with ヨメレバ 高瀬 隼子 講談社 2022年03月24日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 芥川賞受賞作。食品などのラベルパッケージを作る大きな会社の埼玉支店という設定。病弱…

【書評】高瀬隼子「いい子のあくび」ー主人公・直子の「本音」を僕らはみんな知っている。高瀬隼子は人間を見る目が鋭い!

いい子のあくび posted with ヨメレバ 高瀬 隼子 集英社 2023年07月05日 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 高瀬隼子の芥川賞受賞後の第1作。ちょっと長めの表題作「いい子のあくび」と「お供え」「末永い幸せ」の短編2…

【書評】俵万智「未来のサイズ」-コロナの今を俵万智はどう詠んだのか?こんな時代には短歌がよく似合う!!

未来のサイズ posted with ヨメレバ 俵 万智 角川文化振興財団 2020年10月02日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 俵万智の最新歌集。2013-2020、足掛け8年分418首を収めた第六歌集だ。この間に彼女はまる5年暮らした…

【書評】高山羽根子「首里の馬」-今期芥川賞受賞作。沖縄に関する資料の整理と世界の人々へのクイズの出題。それが彼女の仕事だった

首里の馬 posted with ヨメレバ 高山 羽根子 新潮社 2020年07月27日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 芥川賞受賞作。当たり前のことだが物語はそのラストへ向けて収斂していく。この小説はその収斂の仕方がとてもいい…

【書評】辻村深月「傲慢と善良」-婚活はこんなに苦しいのか?主人公・真実の苦悩と痛みが強く心を打つ

傲慢と善良 posted with ヨメレバ 辻村深月 朝日新聞出版 2019年03月01日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 冒頭、主人公の坂庭真実が架(かける)という男に「あいつが家にいるみたい」と電話をして助けを求める。彼女はその後、行方不明にな…

【書評】遠田潤子「雪の鉄樹」-融通の効かない愚かすぎる男を描いて見事な物語!

雪の鉄樹 (光文社文庫) posted with ヨメレバ 遠田 潤子 光文社 2016-04-12 Amazonで探す 楽天ブックスで探す 遠田潤子は2017年度の本の雑誌ベスト10で第1位に輝いた「オブリヴィオン」を読んだが、これはさらに前、2014年に単行本化されすでに文庫になって…

【書評】辻村深月「かがみの孤城」-子供たちへ、この力強いエールを!

かがみの孤城 posted with ヨメレバ 辻村 深月 ポプラ社 2017-05-11 Amazonで探す Kindleで探す 楽天ブックスで探す 今年の本屋大賞受賞作。プロローグ的な最初の見開きページから胸が締めつけられるような思いになる。学校でいじめを受けた主人公のこころは…

【映像化】筒井ともみ原作、映画「食べる女」がなんだかおもしろそう!

食べる女: 決定版 (新潮文庫 つ) posted with ヨメレバ 筒井ともみ 新潮社 2018-08-29 Amazonで探す 楽天ブックスで探す この映画、原作は脚本家・筒井ともみの短編集「食べる女・決定版」、来週文庫で出ます。単行本は2004年に出版されていて、2007年には続…

【書評】遠田潤子「オブリヴィオン」-一人の男の再生の物語。しかし、それは簡単には完結しない

オブリヴィオン posted with ヨメレバ 遠田 潤子 光文社 2017-10-17 Amazon Kindle 楽天ブックス 「本の雑誌」の昨年12月号で北上次郎氏が激賞していたので、これは読まなければと思っていたら、な、なんと「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」の第1位に選ば…

【映像化】「みをつくし料理帖」NHKで5月にドラマ化!主演は黒木華

あ、「みお」ではなくて「みを」なんですね。すみません、これは読んでないです。でも、けっこう人気なのは知ってますよ。高田郁の原作は全10巻で完結していて累計300万部超というからすごいですね。 さて、ドラマ化。北川景子主演で2度スペシャルドラマ化…

【BOOK NEWS】朝日新聞、来年からの新聞小説がすごい!吉田修一&津村記久子

まず、朝刊の連載小説は吉田修一さんの「国宝」。ベストセラーになったあの「悪人」も朝日の新聞小説だったのでこれは楽しみっ。しかも、このタイトル!なんと歌舞伎界を舞台にした物語だそうです。吉田さんは歌舞伎をずっと見ている人らしい。僕もファンだ…

【書評】津村記久子「エヴリシング・フロウズ」-心も人間関係も漂うように過ぎていく

エヴリシング・フロウズ posted with ヨメレバ 津村 記久子 文藝春秋 2014年08月27日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 津村記久子は本当にいい。タイトル、これ何と訳すのがいいのかなぁ、と思いながら読んでいたら最後の最後に答えがあった。…

【書評】辻村深月「島はぼくらと」-これは、青春小説にとどまらない深くて大きな物語!

島はぼくらと posted with ヨメレバ 辻村 深月/五十嵐 大介 講談社 2013年06月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 最初は青春小説だと思った。表紙もあの五十嵐大介が描いたこんな感じだし。「島はぼくらと」は、確かに青春を描いた小説ではある…

【書評】津村記久子「とにかくうちに帰ります」-あるようなないような…ボヤッとしたリアル感がいい

とにかくうちに帰ります posted with ヨメレバ 津村記久子 新潮社 2012年02月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す いやぁ、津村記久子っておもしろいなぁ。これは「職場の作法」という大タイトルがついた4つの連作短編と「バリローチェのファン…

【書評】豊崎由美「ニッポンの書評」-トヨザキ社長は書評ブログが嫌い!?

ニッポンの書評 posted with ヨメレバ 豊崎由美 光文社 2011年04月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 書評家(ブックレビュアー)の書いた書評の本を書評する何てなぁ。しかも、著者はあのトヨザキ社長!僕、この人大好きです。ハッキリ物を言…

【書評】俵万智 一青窈「短歌の作り方、教えてください」-一青窈、暴走?万智先生は本当にやさしい!

短歌の作り方、教えてください posted with ヨメレバ 俵万智/一青窈 角川学芸出版 2010年05月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 俵万智×一青窈の組み合わせは何とも魅力的なので、すぐに手に取った。往復書簡という形での15回の実作レッスンが…

【書評】田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」-大人の女のしたたかさを見事に描いた傑作短編集

ジョゼと虎と魚たち posted with ヨメレバ 田辺 聖子 KADOKAWA 1997年03月25日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 申しわけないが、田辺聖子という作家の本を普通に生きてる普通の男が手に取る機会ってそうそうないんじゃないか、そんな気がする…