また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【文学賞】第八回山田風太郎賞は池上永一「ヒストリア」に決定!!!

 第八回の山田風太郎賞は池上永一さんの「ヒストリア」に決定しました。パチパチパチ!僕は未読ですが、アマゾンの内容紹介をここに引用してみます。

 

 

20年の歳月をかけた著者最高傑作!

第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族すべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉。一時の成功を収めるも米軍のお尋ね者となり、ボリビアへと逃亡するが、そこも楽園ではなかった。移民たちに与えられた土地は未開拓で、伝染病で息絶える者もいた。沖縄からも忘れ去られてしまう中、数々の試練を乗り越え、自分を取り戻そうとする煉。一方、マブイであるもう一人の煉はチェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまう……。果たして煉の魂の行方は?
『テンペスト』『シャングリ・ラ』の著者が20年の構想を経て描破した最高傑作!

 

  

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.10/4週)

 さて、出る本。今年のブラティスラヴァ世界絵本原画展で金のリンゴ賞を受賞した荒井真紀さんの新作絵本「チューリップ」(10/23)が出ます。受賞作の「たんぽぽ」は感想も載せましたが、荒井さんの絵は繊細で美しく、植物の不思議に満ち満ちています。これもまた楽しみ!!

 

○「たんぽぽ」の感想はこちらを

 

 

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【書評】山下澄人「ほしのこ」-そうかそうか、山下澄人ってこういう表現をする人だったんだ!

 「しんせかい」で芥川賞を受賞した山下澄人の最新小説。「しんせかい」は内容だけではなく、文章や表現方法もおもしろく強く心を惹かれた。他の作品は未読なのだが、著者は様々な表現を試みていると聞いた。さて、この作品は?


 「ほしのこ」は童話のような物語。北国の海沿いの小屋に住む父と娘。天(てん)という名前の娘は父から「お前はこの星のものじゃない」と告げられる。父に連れられて遠くの星から来たのだと。そんな父との突然の別れ、そして、彼女の分身のようなルルという少女の出現、近くに住む昆布ばばあとの交流、自然の只中で天たちの暮らしは続く。

 

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【BOOK NEWS】ヨシタケシンスケの新刊「こねてのばして」のプロモーションビデオ公開!

 というわけで、「出る本、出た本」で紹介したヨシタケさんの新作のプロモーションビデオです。ブロンズ新社、リキ入ってるなぁ。ふふふ。しかも、しっかりと他のヨシタケ本も紹介しちゃってるぞ。

 

 

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【文学賞】2017年度・泉鏡花文学賞は松浦理英子「最愛の子ども」に決定!

 ちょっと遅くなりましたが先週発表された今年の泉鏡花文学賞、受賞作は松浦理英子さんの「最愛の子ども」でした。パチパチパチ!去年の受賞作、川上弘美さんの「大きな鳥にさらわれないよう」は読んだのですが、この小説は未読です。どんな小説なのか、アマゾンの紹介文を引用してみますね。

 

日夏(ひなつ)と真汐(ましお)と空穂(うつほ)。
夫婦同然の仲のふたりに、こどものような空穂が加わった。
私立玉藻(たまも)学園高等部2年4組の中で、
仲睦まじい3人は〈わたしたちのファミリー〉だ。

甘い雰囲気で人を受け入れる日夏。
意固地でプライドの高い真汐。
内気で人見知りな空穂。

3人の輪の中で繰り広げられるドラマを、
同級生たちがそっと見守る。
ロマンスと、その均衡が崩れるとき。
巧みな語りで女子高生3人の姿を描き出した傑作長編。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.10/3週)

 さてさて、出る本。大好きなヨシタケシンスケの絵本「こねてのばして」(10/19)出ます。スキンシップをテーマにした絵本で「ヨシタケ史上、いちばんシンプルで読みやすい」を合言葉にして作ったとか。横長というのもいいな。楽しみ!!

 

○ヨシタケさんの記事や他の本の感想はこちら


 同じブロンズ新社から同日発売になるのが、アーティストとして有名な鈴木康広の絵本「りんごとけんだま」(10/19)。前作の「ぼくのにゃんた」がとてもおもしろかったので注目しています。アーティストらしい発想と絵が素晴らしい。今回も期待度大です。

 

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【BOOK NEWS】楽しみ!佐藤正午×糸井重里対談、そして、「鳩の撃退法」文庫化

 さてさて、糸井さんが「ほぼ日」の巻頭に毎日書いているエッセイ「今日のダーリン」、1日で消えちゃうのでもう見られないのですが、12日はこんな話でした。引用しちゃっていいのかな?ちょっと迷うところですが、引用しちゃいますね。(もしダメなら関係各位、教えてください)

 

 

 佐世保では、もうひとつ大事な用事があった。

 先日、直木賞受賞で話題になった佐世保在住の作家、

 佐藤正午さんと食事をするということだった。

 もちろん、作家と面識があるわけもなく、

 少しだけ聞こえてきた話によれば、

 佐藤正午さんという方は対談もしないということだ。

 それでも、昼食の時間に会いましょう

 ということになったのは、どうしてなんだったっけと、

 現地でぼくが確認するくらい、あり得ないことだった。

 

 よくよく考えると、ぼくは、かつて、

 佐藤正午さんの『鳩の撃退法』という上下巻の小説を、

 むさぼるように読んだことがあった。

 正月の、気持ちに余裕のあるときだったので、

 こういうときには小説でもどうだろうと読みはじめたら、

 おもしろいおもしろい、とにかく文章がいいのだ。

 文章を書いていることを、この作者は、

 うれしくてしょうがないのだろうなと思えた。

 将棋やスポーツの世界には、

 その競技をしていること自体がうれしくてしょうがない

 というふうに見える人たちもいるけれど、

 文章を書くことにも、そういう人はいるのだと思った。

 体操の選手の神業のような演技を見るように、

 ぼくは憧れに似た気持ちで、この小説を読んだのだった。

 そして、その感想をツイッターに書いたのだったかな。

 その、ぼくの短くも拙い感想を、

 作者ご当人と編集の方が目に留めてくれて、

 近々文庫化する『鳩の撃退法』の解説を書かないかと、

 お誘いをくださったのだった。

 

 もちろん、ふだんならお断りする。

 「わしのようなものにはようわかりませんわ」という、

 例の川藤幸三さんの考えで、ご遠慮もうしあげるのだが、

 今回は、なぜか、「死ぬまでに一度くらいは、

 小説の解説を書くというような分不相応な苦労を

 したほうがよいのではないか」と思ってしまったのだ。

 (ぐだぐだ長くなるので、大幅に中略します)

 だから、いまでもいいし文庫になってからでもいいから、

 『鳩の撃退法』を読むとおもしろいぞ、ということだ。

 いずれ、この対談も「ほぼ日」に掲載される予定です。

 

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。

佐世保への旅、どっさりのお土産をいただいてきたなぁ。

    

   (ほぼ日刊イトイ新聞「今日のダーリン」10月12日より)

 

というわけで、この「今日のダーリン」で分かったことは

 

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