また、本の話をしてる

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【映像化】ドラマ「コウノドリ」最終回-「オランダへようこそ」障がいのある子を育てるのってどんな感じ?

http://www.jdss.or.jp/tane2017/JDS2017-tane.pdf_page_16_protected.pdf

こちらで見られます。 

http://www.jdss.or.jp/tane2017/JDS2017-tane.pdf_page_16_protected.pdf

 

 いつもドラマは録画して見る。「コウノドリ」の最終回も昨日見た。このドラマはファーストシーズンを見逃しているのだけど、2を見て本当によかった。子供がいない僕ら夫婦には知らないことだらけで、学ぶことも多かった。お母さんやお父さんの役者は知らない人が多かったのだけど、それぞれみんな好演で心に残った。

 

 最終回の前の回は「出生前診断」がテーマで、診断を受けた高山さんは「21トリソミー陽性」という結果だった。生まれる赤ちゃんがダウン症の可能性が高いのだ。悩むお母さんとお父さん。この話は最終回まで引き継がれる。決意をしたものの不安でいっぱいのお母さんに大森南朋さん演じる今橋がある詩を紹介する。それがリンクしたエミリー・パール・キングズレイさんの「オランダへようこそ」という詩。「障がいのある子を育てるのってどんな感じ?」というフレーズが冒頭にある。これを高山さんは自分と夫の両親の前で朗読するのだ。この詩、僕は知らなかったし、原作コミックにあるのかも分からないのだが、すごくすごくよかった。

 

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【絵本】MOE絵本屋さん大賞2017、1位はまたまたあの人!!

 今年で第10回を迎える「MOE絵本屋さん大賞」、大賞はこれです!!

 

 おぉぉぉ、ヨシタケシンスケさん、3連覇です。しかもこれ、僕は大プッシュしたのですが発売当初は他のヨシタケ本と比べてそんなに盛り上がらなかったんですよ。この名作が評価されてすごくうれしいです。みなさんもぜひぜひ読んでみてください。僕の感想も載せておきますね。

 

2位以下は次の通りです。

 

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【ドラマ】脚本・又吉直樹!ドラマ「許さないという暴力について考えろ」、明日26日・22時放送!!!

 年末のお楽しみ!又吉初脚本ドラマが明日夜22時から22時49分までNHK総合で放送されます。渋谷を舞台に「許さない・不寛容」をテーマにおっさんと老婆の物語と姉妹の物語が交錯していきます。ううむ、このタイトル、なんかすごいな。出演は森岡龍、森川葵、柴田聡子、でんでん、宮本信子他。下のホームページに又吉が語る見どころ動画などもあります。ちょっと見てみてください。

 


 又吉の2冊、未読ならぜひ!おもしろいですよ。僕は好き!!


 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.12/5週)

 さてさて、今年はもう新刊もないかな、と思っていたのですが、出た本が2冊。まずはいとうせいこう他の「日本語ラップ・インタビューズ」。7人のラッパーへのインタビュー集。日本語と言葉、が気になる人にとっては必読ではないかなぁ。いとうせいこうさんのこんな言葉、

 

「日本語でラップをやることは、自転車に乗ることと似てると思ってる。
自転車って、乗れるようになった後は、乗れなかったことを忘れちゃうでしょ?」

 

 あぁ、なるほどね。なんかちょっと分かる気がする。これは読んでみたいぞ。

 

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【BOOK NEWS】「Casa BRUTUS」特別編集「音のいい部屋。」外伝で村上春樹のレコードディガーぶりを紹介!

 ちょっと遅い話題ですみません。「Casa BRUTUS」の特別編集のムックで「音のいい部屋。」という雑誌が11月に出ていたのですが、そのメインの記事で村上春樹さんの音のいい部屋が紹介されてるそうです。村上さんへのインタビューは、壁一面レコードに囲まれた自宅書斎で行われたとか。今、ちょっと忙しくて本屋に行ってないのだけど、これはチェックしなくちゃ!他の記事もおもしろそう。オーディオファンはたまらないですね。


 

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【文学賞】第158回芥川賞・直木賞(平成29年下半期)候補作、決定!

 さて、発表されました。芥川賞、前回は4作でしたが今回はちゃんと5作ありましたね。よかった、よかった。

 

【芥川賞候補】

石井遊佳「百年泥」(新潮11月号)

木村紅美「雪子さんの足音」(群像9月号)

前田司郎「愛が挟み撃ち」(文学界12月号)

宮内悠介「ディレイ・エフェクト」(たべるのがおそいvol.4)

若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」(文芸冬号)

 

 前田司郎さんは演劇の人ですね。宮内さんは直木賞候補に3回選ばれています。そして、63歳・史上最年長で文藝賞を受賞した若竹さんの話題作も入りましたね。出版されているのは今のところこれだけです。

 

【直木賞候補】

彩瀬まる「くちなし」

伊吹有喜「彼方の友へ」

門井慶喜「銀河鉄道の父」

澤田瞳子「火定(かじょう)」

藤崎彩織「ふたご」

 

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【書評】ビートたけし「アナログ」-あの「懐かしい愛」をもう一度!

 この物語は驚くほど昭和だ。主人公の悟は工業デザインの会社で働いている現代の青年。だから、決して古い人間ではないのだけど、生き方も暮らしぶりもデジタルではない。仕事もコンピュータのシミュレーションではなく、模型を造ってクライアントに見せようとする。家に帰れば父親の仏壇に線香をあげ、友人たちとは焼鳥屋で飲むことを好む。

 

 悟には埼玉・東松山の特養に入っている母親がいる。都心から2時間かかるその施設に通うことを彼は少しもいとわない。恋愛小説という謳い文句だけれども、これは母親小説でもある。というよりも、「アナログ」という物語はそう思った方がすんなりと読むことができるのだ。悟の母への思いもまたアナログ的だ。彼は母のことでよく泣く。こんなに泣くかと思うほどよく泣く。過剰といってもいい。

 

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