手塚治虫文化賞、今年のマンガ大賞が決まりました!ヤマザキマリさんと とり・みきさんさんの「プリニウス」です。パチパチパチ!!古代ローマの博物学者プリニウスの波乱と冒険に満ちた生涯を約10年かけて描ききった大作。昨年7月に全12巻で完結しています。アマゾンの最終巻の紹介文を。
魅惑の古代ローマを描く歴史伝奇ロマン、堂々完結!
皇帝ネロの非業の死により混迷を極めたローマ帝国も、ウェスパシアヌス帝によって、ようやく安定がもたらされる。畢生の大作にして世界史的名著『博物誌』の完成を急ぐプリニウスは、ローマ艦隊の司令官に命ぜられ、「運命の地」へ。
そして迎えたA.D.79年。ついにウェスウィオス火山が噴火、火砕流がポンペイの街を襲う。はたしてプリニウス一行の運命は――。
連載スタートから10年、世界も注目の歴史伝奇ロマン、ド迫力の最終巻!
「推しの子」も有力候補でしたが「生命への問いかけは手塚治虫に、楽園や異界に対する畏怖は水木しげるに通じる」(中条省平選考委員)と高い評価を受け、競い勝ったようです。ちょっと長いけどこれは読みたいなぁ。
◯新生賞 坂上暁仁「神田ごくら町職人ばなし」
斬新な表現の作者に贈る新生賞には「圧倒的な画力」(秋元治選考委員)と支持を集めた坂上暁仁さんの「神田ごくら町職人ばなし」が選ばれました。坂上さんはこれが商業誌デビュー作!アマゾンの紹介文を。
圧巻の描写でよみがえる、江戸職人の技と意地
「金なんざどうだっていい。心意気の話さ。わかるだろ?」
ただひたすらに、ひたむきに……
桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官。
伝統の手仕事を圧倒的ディテールと珠玉のドラマとともに描く歴史的傑作。
■桶職人
覚えときな。木ってのは生きてんだーー木を見つめ木と生きる桶職人の一日。
■刀鍛冶
自分が打った刀で子どもが殺された。灼熱の鍛冶場ーー多くを語らぬ刀匠の胸中は…
■紺屋
友禅染が大流行する中、藍染の意匠に悩む一人の職人。先の見えない仕事に心は沈むが…
■畳刺し
明け渡った吉原が男達の仕事の場。暮れの畳の張り替えに遊女達の冷やかしは付き物で…
■左官(一、二、三)
土蔵の普請場に奇妙な男が現れる。甚三郎と名乗るこの男、上方から流れてきたようだが…
うむ、江戸物のコミックは好きなのでこれは読みたいぞ。
◯短編賞 益田ミリ「ツユクサナツコの一生」
短編賞は益田ミリさんの「ツユクサナツコの一生」。「益田ミリの最高到達点」(南信長選考委員)という高い評価!コロナ禍で描かれた作品です。終盤は衝撃の展開、らしい。益田ミリさんの絵、いいよなぁ。
期待もせんと絶望もせんと、それでも人は生きていける――。
予期せぬ展開に心揺さぶられる、著者史上最長編の感動作!マスク生活2度目の春を過ごす、32歳・漫画家のナツコ。社会の不平等にモヤモヤし、誰かの何気ない一言で考えをめぐらせ、ナツコは「いま」を漫画に描く。描くことで、世界と、誰かと、自分と向き合えるから。〝わかり合える〟って、どうしてこんなに嬉しいんだろう――。自分の「好き」を大切に生きる、「あなた」に贈る物語。
◯特別賞 マンガ同人誌展示即売会「コミティア」実行委員会
最後に特別賞はマンガ同人誌展示即売会「コミティア」実行委員会が選ばれました。「コミティア」は他の展示即売会とは違ってオリジナル作品限定なんですね。年4回開催で3500~5000サークルが出展するとか。ここを経て商業誌デビューする作家も多く、なんと新生賞の坂上さんも「コミティア」出身だそうです。初開催から40周年の快挙!パチパチパチ!!
◯コミティアのホームページはこちら!
◯選考過程など主催の朝日新聞の記事はこちら
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