「存在の耐えられない愛おしさ」に続く伊藤亜和のエッセイ第二弾をやっと読む。これ、晶文社から出てるんだ!この出版社には特別な思い入れがあるから「おぉぉ、晶文社からエッセイ出たんだスゲェ」って僕は思ったけど本人はどうなのか?で、noteの文章がプロの目に留まりデビューした「存在の〜」もすごくおもしろかったが、第二弾も変わらずおもしろい。文章も巧みなのだが、やはり伊藤亜和というキャラクターのユニークさがそのまま文章になっているのがいい。
内容的にはいろいろだが、前回の時もメインだったパパのこと。そして、ママのこと、弟のこと、祖父母のこと。人間以外のこともたくさん書かれているが、やはり人の話が一番おもしろい。白眉と言えるのが2章目の「オール・アイズ・オン・ミー」だ。これ、教科書に載せてもいいんじゃないか。一言で言っちゃうと彼女が受けている「差別」の話だ。「私は私。黒人ハーフの女の子じゃなくて、伊藤亜和って名前なの」と彼女が言っても周囲は特別な視線を向けてくる。「パパから譲り受けた「周りと違う」というコンプレックスを、私は今でも長いブランケットのように引きずって歩いている」というフレーズ!しかし、重い話にはなっていない。あの伊藤亜和である。様々な事実と真実をユーモアを交えながら軽やかに描いていく。その軽やかさが見事だし、だからこそ読む方は考えることがたくさん生まれてくるのだ。
冒頭を飾る「文才って」、モンスターになることに怯える「モンスター」、パパへの思いを語る表題作、独立を決めた「出ていきます!」もいい。あと書き、伊藤亜和は2歳から22歳まで20年の大殺界だったらしい。いやいやいや、一体それってなんなんだ?伊藤亜和に未来はあるのか?いずれにしてもアワヨンベは、クセになる!!「第19回 わたくし、つまりNobody賞」受賞作品。
◆DATA 伊藤亜和「アワヨンベは大丈夫」(晶文社)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)