また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.1/4週)

 出た本。ほぼ日から「星空の谷川俊太郎質問箱」出ました。2007年に出た「谷川俊太郎質問箱」に続く第2弾。「ほぼ日」に寄せられた皆さんの質問に谷川さんが答えるというスタイルの本。今回は64の質問に谷川さんがまさに谷川さんらしい回答をしています。巻末には詩人・最果タヒさんのエッセイも!

 

◯詳しくはこちらで

 

 そして、横尾忠則「創造と老年」も出ました。副題に「横尾忠則と9人の生涯現役クリエーターによる対談集」とあります。ううむ、気になる。Amazonの内容紹介を引用してみます。

 

創造は80歳からが俄然おもしろい!

横尾忠則が9人のオーバー80’sに聞いた
生きること・創ること・年を重ねること。

瀬戸内寂聴 遊んじゃうこと。面白がること。
磯崎新   老人意識なんて考えつきもしない。
野見山暁治 いつでも「今」だけ。
細江英公  くよくよしない。自然に構える。
金子兜太  創造の根幹は見えないものを感じること。
李禹煥   世間の声は知れている。大事なのは自分。
佐藤愛子  年を取るってことは、やっぱり必要。
山田洋次  老いは作品に必ず良い影響を与える。
一柳慧   これから80代の本当の挑戦が始まる。

 

 いやいやいや、みんなオーバー80’sなのね。なんだかすごいなぁ、読みたいなぁ。

 

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【コミック/感想】リチャード・マグワイア「HERE」-いったいこれは何?コミック?アート?得体の知れない何か?

 いやぁ、ニューイヤー早々、なんだかすごいものに出会った。いったいこれは何だ?コミック?アート?それとも、得体の知れない「何か」?

 

 「HERE ヒア」とタイトルが小さく入った最初の見開きに描かれているのは、淡いトーンの部屋。暖炉とソファだけが置かれている。ソファの後ろに大きな窓がある。左隅に「2014」という数字。次の見開きもトーンは変わらないが、暖炉の横には大きな本棚が。その前にダンボール箱一つ。窓のシェードが半分ほど下りている。そして「家族へ」の文字。「2014」は変わらない。3つ目の見開きは「1957」、淡いが前の2つとは違った紫を基調にした同じ部屋。3つのソファ、ベビーベッドなどなど。

 

 ここまできたら読んでいないあなたも「ハハーン」と思うだろう。僕も思った。「ハハーン、HEREっていうのはこの部屋のことで、この本は過去に戻ったり、未来に飛んだりしながら部屋の変遷を描くのだろう」って。この予想、半分は当たっているが、半分はとてつもなく外れている。「そんなもんじゃない!」。しかし、この「そんなもんじゃなさ」を言葉にするのが難しい。確かに、過去はBCの30億50万年まで遡っちゃうし、未来はACの2万2千175年にまですっ飛んじゃう。しかし、その「振り幅」が「とんでもなさ」ではないのよ。「1953」の見開きは、同じく部屋の風景ではあるけれど、その中に「1988 」の夫婦のウィンドウがあったり、「1623」の鹿が駆けているウィンドウがある。まるでパソコンのマルチウィンドウみたい!それらの登場人物は何見開きか続けて出てきたり、少し経ってから登場したり。その「イメージの連なり」が何だかすごい。

 

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【絵本】明日1月20日からミロコマチコ個展「いきものたちの音がきこえる」世田谷文学館で!

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 待ってましたぁ!!!!ミロコマチコの個展「いきものたちの音がきこえる」、全国を巡回してやっと東京にやって来ます。世田谷文学館で明日から4月8日まで。文学館のホームページからどんな展示になるのか、概要を引用します。

 

絵本作家としてのデビュー作『オオカミがとぶひ』(2012年)が、日本絵本賞の大賞に輝いたミロコマチコ。その類いまれな色彩感覚と独自の造形表現、豊かな言語感覚によって生み出される作品は、国内外の名だたる絵本賞を受賞してきました。
本展では、大型作品を含む絵画や立体、代表作の絵本原画など、150点以上の作品に最新作を加えて構成し、画家として、絵本作家として、日々創作をつづけるミロコマチコの、“今”を切り取ります。ダイナミックな、ライブ感あふれる展示をお楽しみください。

 

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【文学賞】2018年本屋大賞ノミネート10作発表!

 例年、このノミネートは芥川賞・直木賞発表直後になりますね。では、10作をドドドッと紹介しましょう。読んだ本はありますか??

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【文学賞】第158回(平成29年下半期)芥川賞は若竹千佐子さん、石井遊佳さん。直木賞は門井慶喜さんに決定!

 決定しました。芥川賞はW受賞。まずは下馬評が高かった若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」。63歳・史上最年長で文藝賞を受賞した作品です。若竹さんは遠野市出身で、昨年受賞した沼田真佑さんに続いて岩手県連続受賞です。そして、石井遊佳(いしい・ゆうか)さんの「百年泥」。これは49回の新潮新人賞受賞作。「百年泥」は、1月24日発売になります。どちらもパチパチパチパチ!

 

◯堀江敏幸選考委員による選考過程の説明

  

◯芥川賞候補作は以下の5作でした。

石井遊佳「百年泥」(新潮11月号)

木村紅美「雪子さんの足音」(群像9月号)

前田司郎「愛が挟み撃ち」(文学界12月号)

宮内悠介「ディレイ・エフェクト」(たべるのがおそいvol.4)

若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」(文芸冬号)

 

  直木賞は門井慶喜さん「銀河鉄道の父」です。宮沢賢治の一生を父の視点から描いた物語。澤田さんに期待していたのですが、門井さん、よかったですね。パチパチパチパチ!そうか、宮沢賢治も岩手の人ですね。

 

◯伊集院静選考委員による選考過程の説明

 

 ◯直木賞候補作は以下の5作でした。

彩瀬まる「くちなし」

伊吹有喜「彼方の友へ」

門井慶喜「銀河鉄道の父」

澤田瞳子「火定(かじょう)」

藤崎彩織「ふたご」

 

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【映像化】「この世界の片隅に」のこうの史代原作「夕凪の街 桜の国」がNHKでドラマ化!主演のんでどうだ!

 これは本当にうれしいニュースです。「この世界の片隅に」は市井の人々の「戦争」を描いたコミックでしたが、「夕凪の街 桜の国」は、被爆者の人々の戦後にしっかりと向き合っていて、ある意味、「この世界の片隅に」を凌ぐ作品です。出版当時の評価も高く、第9回手塚治虫文化賞新生賞、第8回文化庁メディア芸術祭大賞を受賞しています。感想を書いているのでちょっと読んでみてくださいね。

 


 ドラマはNHK広島放送局開局90年ドラマとして制作され「夕凪の街 桜の国 2018」のタイトルで今夏放送予定です。2007年には田中麗奈主演で映画にもなっていますが、今回のドラマ化は原作の後半部分の設定を現代に置き換え、オリジナルの物語も交えたストーリーになります。

 

 それでですねぇ、キャストはまだ発表されていませんが、前半の主人公の皆実と後半の主人公の七波はよく似ているという設定なので、ぜひのんさんの2役で!NHKならできるだろう!!!!!どうぞよろしく!!!とにもかくにも、未読の人は原作をぜひ読んでみて欲しいです。

 

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【BOOK NEWS】本日から「ほぼ日」で直木賞作家・佐藤正午×糸井重里対談!

 さてさて、今日から始まりましたよ。佐藤正午×糸井重里対談。このブログではすでに、糸井さんが文庫版「鳩の撃退法」の解説を書いたこと、そして、2人で対談をしたことについて詳細を書いています。それを読んでもらえたら、と思います。こちらです。


 対談1回目を読みましたが、静かなスタートです。これからどんな展開になるのか、全7回、とても楽しみ!

 


 で、一緒にしちゃって佐藤さんには申しわけないのですが、ちょうど今、「ほぼ日」で連載されている「男たちの全開パンダ・トーク」もすご〜くおもしろいのでついで、って言っちゃ何ですが読んでみてください。ううううむ、たまらんぞ、これ!

 

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