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【アンソロジー/書評】窪美澄他「きみのための棘を生やすの」-5作の中では彩瀬まるに◯。あとは△と×

 略奪愛をテーマにした書き下ろし恋愛官能小説集と河出のHPの紹介にはある。ま、官能でもなんでもないですが…。別にそれに期待していたわけじゃないけれど、官能するならちゃんと官能してくださいね。

 

 窪美澄が好きなので、とりあえずこういう収録作品も読んでおきたかった。その「朧月夜のスーヴェニア」はタイトルはなかなかだけれど、話としてはそれほどおもしろくない。認知症と周囲から思われている老婆の独白スタイルで語られる戦争があった時代の恋の話。他の作品に比べればいいのかもしれないが、それほど心には残らない。

 

 窪も含め5人の作家が登場するが一番おもしろかったのは彩瀬まるの「かわいいごっこ」。簡単に言っちゃうと女が文鳥と同棲してる男の親指を取り合う話。簡単に言い過ぎか。でも、これ展開もおもしろいし、いいです。やはりこういう企画物では作者が仕掛けないとつまらない。彩瀬まるに◯。宮木あや子「蛇瓜とルチル」は主人公が芸能界の衣装さんで、なかなか読ませる。

 

 千早茜と花房観音の2作品は確実に暴言を吐きそうなので感想は書かない。全体的に不満が多く、そういう時はついつい他人の評を見てしまうのだが、チラチラ見た感じでは女性の評判がけっこういい。いやぁ、こういうので満足してたらダメでしょう。マズイと思うなぁ、いやいやホント。それともこういう小説集を男が読むのが間違ってるのか?

                          

 

2014.7.24 え〜っと暑いじゃないか、暑いじゃないか。今年初めのクーラー導入作戦はいつの間にか消えてなくなり、今年も変わらぬオクー家。読書は角田光代「平凡」。

 

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