これ、一度読んじゃうと奄美大島に行きたい、暮らしたいって人がドドドッと増えちゃうんじゃないか。それぐらい奄美という場所の魅力に溢れている。
画家で絵本作家でもあるミロコさんが旦那のまさしくんと東京から奄美に移住したのは2019年のこと。これは移住直前から移住後6年間の暮らしを描いた島まみれエッセイ。いやぁもうこれ、これ以上まみれられないぐらい奄美にまみれちゃってて素晴らしい。いいなぁ。
冒頭、奄美暮らしを決めて引越しするまでの話で早々に盛り上がる。ミロコ家には4匹の猫がいる。各々性格が違う猫たち、奄美までの約2時間半のフライト、どうする?どうなる!!そして、島での暮らし。印象的なのはやたらといろいろ持ってやって来るご近所の人々!アリだのハブだの台風だの自然のいっさいがっさい!そして、めちゃくちゃイベント好きな奄美の人々の話。歌って踊っての八月踊りや各地でトーナメント方式で競い合う舟こぎ競争、体を動かすことと勝負事が好きな島人が本気で勝負する「運動会」。運動音痴のミロコさんがいつの間にか巻き込まれいくのがやたらとおかしい。彼女の絵や奄美の写真もたくさん入っているのでイメージがさらに増幅される。個人的には友人から産まれたばかりをもらったヤギのムム・モモ姉妹が超かわいくてたまらない。
あとがきで彼女は、移住前は「ひとりで生きていけることが強いことだと思っていた」、しかし島に来てからは「ひとりで生きていくのではなく、みんなで生きていることが安心で強いことなのだと気づいた」と書いている。島にまみれ島の人々にまみれ、のびのび生きていくミロコさん!続編もぜひぜひ読みたいぞ。
◆DATA ミロコマチコ「島まみれ帳」(ブロンズ新社)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)