また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、出た本出る本など、本関連の最新ニュースを届けます。

【賞いろいろ】講談社エッセイ賞に小泉今日子「黄色いマンション 黒い猫」と穂村弘「鳥肌が」

 紹介がちょっと遅くなりましたが第33回講談社エッセイ賞に小泉今日子さんの「黄色いマンション 黒い猫」、そして、穂村弘さんの「鳥肌が」が選ばれました。パチパチパチ。キョンキョンのエッセイは読んでいて、感想を載せています。こちら。

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.7/5週)

 さてさて、出た本。オードリーの若林正恭「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」が気になってます。東京からキューバに逃亡?した彼の書き下ろしエッセイ。表紙の写真もいいなぁ。「ほぼ日」で連載中のインタビューも楽しいです。

 


 出る本。先月1・2巻が出た「鹿の王」、完結編の3・4巻(7/25)が出ます。こちらで前のブログに書いた書評を載せてるので未読の人は読んでみてください。この小説はおすすめ!!

 

okuubook.hatenadiary.jp

 そして、椎名誠「家族のあしあと」(7/26)、シーナ少年が海辺の町で大家族と過ごした幼い日々の話。「岳物語」前史にあたる私小説シリーズ、期待です。

 

 もう一冊。「ありがとう、うちを見つけてくれて 「この世界の片隅に」公式ファンブック」(7/28)出ますよぉ。アマゾンの紹介文を引用してみますね。

 

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【書評】原田マハ「リーチ先生」-これは芸術を志す名も無き人へのエールでもある

 原田マハはこの物語で小説家としてさらに大きく成長した。「本日は、お日柄もよく」のようなちょっと軽めの現代小説が書けて「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」のようなアートエンタテインメントもモノにしてきた彼女だが、「リーチ先生」は本格的なアート小説といっていい。


 バーナード・リーチ、多くの人が名前を知っているが、その功績や影響は意外と知られていない人物だ。20世紀の初めにリーチ青年は幼い日を過ごした日本に1人でやって来る。日本の文化や芸術をもっと学び、西洋と東洋の架け橋になるという大志を抱いて。彼は革新的な考えを持った白樺派の面々と交流することで大きな刺激を受け、さらに「陶芸」と出会い、そのおもしろさにのめり込んでいく。

 

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ブイヨンのお母さんルーシー、16歳9ヵ月で…。

 「ほぼ日」の糸井さんの愛犬ブイヨンは生まれた時はニコでした。ニコ、サンコ、ヨンコ、3姉妹の長女。そんな三匹も今年7月15日に14歳になりました。そして、彼女たちのお母さんルーシー、彼女はそのちょっと前、7月6日の朝に息を引き取ったそうです。16歳と9ヵ月…長生きでしたね。最後の3年は病気との闘いだったようですが…。ルーシーの人間のお父さんイワサキユキオさんからの報告はこちらです。

 

ほぼ日刊イトイ新聞 - Say Hello! あのこによろしく。

 

 うちもひなた(女の子10歳)というジャックラッセルテリアを飼っているのですが、すべてはこの本、というか、「ほぼ日」での「Say Hallo!」の連載から始まっているのです。お母さんのルーシーのもと三匹の子犬が育っていく様子を綴ったこの連載を読んでわが家もジャックを、と思い…。というわけで、ルーシー、がんばったね。ありがとうね。「Say Hallo!」、上のリンクの左一番上「Say Hallo! ウェブ版一気読み!」で連載分は全部読めます。ずいぶん昔に書いた本の感想を載せておきます。

 

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【BOOK NEWS】芥川賞「影裏(えいり)、7月28日発売決定!「激しい対立があった」と髙樹選考委員

 昨日の発表の時点ではアマゾンなどにもあがっていなかったのですが、7月28日発売が決定しました。これはちょっと興味あるストーリーですね。

 

 選考委員の会見はいつも産経ニュースが詳しいのですが、今回、芥川賞では「ほとんどケンカ状態の激しい対立があった」らしいです。会見した高樹のぶ子さんは賛成だったようですが、1人反対した委員がいたとか。ふふふ、おもしろい。詳しくはこちらを。

 

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【文学賞】第157回(平成29年上半期)芥川賞は沼田真佑さん、直木賞は佐藤正午さんに決定!

 決定しました!芥川賞は沼田真佑(しんすけ)さんの「影裏(えいり)」、そして、直木賞は佐藤正午さんの「月の満ち欠け」でした。

   

 沼田さん、ノーマークでした。すみません。文學界新人賞受賞作ですね。単行本化はまだされてないようです。読みたい人は上の「文學界」5月号で。直木賞、佐藤正午さん、やったぁ!あまりにも遅すぎる受賞ですが、還暦過ぎてのご褒美でこれからさらにさらにおもしろい小説を書いてもらえそう。とにもかくにも、お2人にパチパチパチ!

 

○佐藤正午「月の満ち欠け」の書評はこちら。 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.7/4週)

  え〜っと、出た本。東山彰良「流」、文庫になりました。直木賞受賞作品です。北方謙三が選考委員の感想で「二十年に一度の傑作」と言って、それが帯にもなってます。書評を前のブログで書いたので転載しますね。

 

◇フツーにおもしろい小説だ。それ以上でも以下でもない。

 

 これはフツーにおもしろい小説である。「二十年に一度の傑作(北方謙三)」でも何でもないし「十五年間で一番幸せな選考会でした(林真理子)」なんて言われても困っちゃう。いくら直木賞受賞の審査コメントだからってここまで言うとは…。皆さんどうかしちゃったんじゃないかしらん。

 舞台は台湾の台北市、1975年の蒋介石の死から物語は始まる。まさに国中を揺るがしたその死の後に、主人公である葉秋生の祖父が何者かによって殺される。第一発見者は17歳の秋生だった。祖父の葉尊麟は、中国本土での内戦に敗れて台湾へと逃れてきた国民党の生き残りで、どうやら本土では悪行の限りを尽くしてきたらしい。そんな祖父の死を心のどこかに引きずりながら秋生はその青春を生きている。

 この物語がいいのは、喧嘩を通して育っていく友情の物語や幼なじみの看護師・毛毛との恋の物語、父や祖父、親戚のおじさん、じいちゃんたちとの交流の物語、そして祖父の死のミステリーが当時の台北そのままに混沌と描かれているところだと思う。この混沌さこそが「流」という物語の大きな魅力だ。そして、それを支えているのは作者の感情表現の巧みさ、ユニークさだろう。「流」は最終的には祖父殺しの犯人探しになり、舞台も中国本土へと移っていく。その大団円の見事なこと!うん。これはフツーにおもしろい小説だ。それ以上でも以下でもない。過大評価は逆に作者を貶めることにならないのか。(2016.1.18記)

 

 というわけで、北方謙三に喧嘩売ってますね、これ。でも、そう思うんだなぁ。おもしろいけどなぁ、そこまで言うか、って僕は思います。

 

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