また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、出た本出る本など、本関連の最新ニュースを届けます。

【書評】佐藤正午「夏の情婦」-今の佐藤正午の作品は間違いなくこの小説集の延長上にある

 直木賞を受賞した佐藤正午の1988年の恋愛小説集。デビュー作「永遠の1/2」から4年経っているので「若書き」とは言えないけれど、少しだけそう感じる部分もある。しかし、5つの物語どれもがすこぶるおもしろい。佐藤正午の小説はある種のクールさと情緒性が同居していてそこが魅力なのだが、この5編にも同じようなことを感じることができた。


 個人的に一番好きなのは「片恋」という物語。九州の地方都市に暮らす小説家が主人公だ。彼が昔のクラスメイトの女性と再会したことが発端になる。想い出のように語られる13年前の高校時代のある出来事。主人公の彼が思いを寄せるTという同級生、友人Kのおせっかいから2人は会うことになるのだが…。現代と過去を行き来しながら語られる若き日の恋と悔恨。そして、13年という時の流れ。なんとも苦く、なんともせつない物語だ。

 

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【映像化】「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」明日20日、スペシャルドラマで再登場!

 さて、昨日放送された「眩(くらら)」、なかなかよかったようですね。僕は録画してまだ見てないのだけど紹介したかいがありました。

 

 さて、宮木あや子の小説をドラマ化した「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」、明日スペシャルドラマで再登場です。連ドラは昨年の秋ドラマでしたが、視聴率もよくて、僕も見ていましたがなかなかおもしろかった。スペシャルは1年後、という設定で校閲から念願のファッション誌の編集者になった悦子のその後が描かれています。連ドラのメンバーに編集長として木村佳乃が加わります。20日夜9時から10時54分まで。お見逃しなく!

 

 原作は「校閲ガール」「校閲ガール ア・ラ・モード」「校閲ガール トルネード」の3冊が出ていて、「校閲ガール」「校閲ガール ア・ラ・モード」は角川で文庫になっています。スペシャルのサイトはこちら。

 

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.9/4週)

 さてさてさて、出た本、というか出た雑誌。9月15日発売の「Pen」最新号の特集は「運慶と快慶」。26日から史上最大の「運慶展」も東京国立博物館で始まりますしね。巻頭のいとうせいこうさんと井浦新さんの仏像好き対談も楽しそう。読もう!!

 

○東京国立博物館「運慶展」のサイトはこちら!

 

○「Pen 」最新号の紹介ページ

天才仏師2人の、美しい仏像特集、Pen 10/1号「運慶と快慶。」発売開始! | News&Topics | Pen Online

 

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【映像化】朝井まかて原作のドラマ「眩(くらら)」明日18日夜放送!主演は宮崎あおい

 すでにこのブログに書きましたが、朝井まかての同名小説が原作のドラマ「眩(くらら)〜北斎の娘〜」が明日夜NHK総合で放送されます。詳しくは以前のブログを読んで欲しいのですが、葛飾北斎の娘で彼女自身も絵を描いていたお栄の物語。原作がとてもよかったので、僕はすごく楽しみにしています。ホームページの宮崎あおいのお栄、いいなぁ。ドラマ、皆さんもぜひぜひ見てみてください!おすすめですよ。

 

○ドラマのホームページです(再放送も決定)

 

○くわしくはこちらで。書評へのリンクもあります。原作もぜひ!

  

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【書評】石黒由紀子「猫はうれしかったことしか覚えていない」-猫愛がさらにさらに強くなっちゃうエッセイ集

 いやぁこのタイトル、力あるなぁ。これは読まねば、と強く思ったもの。犬を飼っているけれど猫もけっこう好きな僕は、彼らにとても興味がある。犬の散歩の途中でもいろいろな猫に会うのだけど、うちの犬は大の猫嫌いで見つけたら激しく吠えるのでなかなか接触できない。でも、なんだかいいんだよなぁ猫って。

 

 さて、このタイトル、作者の愛猫であるコウハイが梅干しの種を飲み込んで手術を受けた時に先生から言われた言葉から来ている。「猫には楽しい記憶だけが残ります。コウハイちゃんには、梅干しの種(一部略)を転がして遊んでおもしろかったな、という記憶だけが残り、苦しくなって手術して、入院までして大変だったということは、そのうち忘れます」、だから先生は、また同じことをするかもしれないからと、注意を促したのだ。なるほど、そういうことなのか。

 

 作者のエッセイスト石黒さんチには先住犬のセンパイがいた。そこに動物愛護団体ランコントレ・ミグノン(「ほぼ日」でもおなじみ!)で出会った雑種の猫がやってくる。それがコウハイ!6歳の男の子。

 

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【賞いろいろ】2017年度第4回料理レシピ本大賞、料理部門大賞は「世界一美味しい煮卵の作り方」

 毎回ちょっと楽しみにしている料理レシピ本大賞ですが、2017年度の大賞が発表されました。料理部門の大賞ははらぺこグリズリー「世界一美味しい煮卵の作り方」。そして、お菓子部門の大賞は白崎裕子「白崎茶会のあたらしいおやつ」に決まりました。パチパチパチ!

 

 「世界一美味しい煮卵の作り方」には「家メシ食堂 ひとりぶん100レシピ」という副題が付いています。著者のはらぺこグリズリーさんって手抜き料理研究家でブログもやってる人なんですね。そういえば、この本、なにかで紹介されてたなぁ。アマゾンの紹介文をここに引用してみましょう。

 

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【絵本】BIB2017 第26回ブラティスラヴァ世界絵本原画展、荒井真紀さん、ミロコマチコさん受賞!

 スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年毎に開かれるブラティスラヴァ世界絵本原画展(Biennial of Illustration Bratislava略称BIB)は芸術性の高いものや実験的なユニークな作品が集まる世界最大規模の絵本原画コンクールです。ここでは日本の絵本の評価はとても高く、1回目の瀬川康男さんに始まって、中辻悦子さん、出久根育さん、田島征三さん、安野光雅さん、谷内こうたさんなどが過去に受賞しています。前回は、ミロコマチコさんが「オレときいろ」で金のりんご賞を受賞しました。

 

 そして今回は荒井真紀さん「たんぽぽ」が金のりんご賞、ミロコマチコさん「けもののにおいがしてきたぞ」が金牌を受賞しました。パチパチパチ!

 

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