また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.10/5-11/1週)

 さて、出た本。小林聡美「ていだん」、出てました。小林さんはキャラクターも魅力だし、話もおもしろいですよね。前にはいろいろな人たちと散歩しながらの話をまとめた「散歩」という本も出しています。今回は鼎談ですから、ゲストの方2人と語り合ったものをまとめたもの。ゲストの36人がなかなかすごいんです。

 

【ゲスト】 井上陽水、川上未映子/小泉武夫、飯島奈美/もたいまさこ、片桐はいり/松岡享子、群ようこ/柳家小三治、酒井順子/長塚圭史、西加奈子/加瀬亮、前田敦子/南伸坊、江戸家小猫/大橋歩、小野塚秋良/宇多喜代子、森下圭子/市川実和子、市川実日子/坂崎千春、坂本美雨/大貫妙子、畠山晶/板谷由夏、平岩紙/白旗眞生、野村友里/役所広司、光石研/甲斐信枝、本上まなみ/石田ゆり子、中谷百里

 

気になる人はぜひぜひ。

 

 さて、出た本をもう一冊。鈴木るりか「さよなら、田中さん」。彼女はなんと14歳の中学生!小学館主催の「12歳の文学賞」で史上初3年連続大賞を受賞したというなんだかすごい人です。あさのあつこ、石田衣良、西原理恵子が大絶賛で発売直後に重版決定、しちゃったらしい。ううむ。特設サイトがあって、全5編のうちの1編が全文読めるのでちょっと見てみてください。いやいや、これは。

 


 

 出る本。大好きな松家仁之の新作「光の犬」(10/31)が出ます。北の町に住む一族三代と北海道犬の話。百年以上の長い時間を描いていた物語のようですが、犬がどのような役割を果すのか気になるところ。あぁ、表紙もいいなぁ。読もう!

 

続きを読む

【絵本】ミロコマチコ「ねこまみれ帳」-あ〜この猫まみれ感がたまらない!猫好きもそうでない人もぜひっ!!!

 まみれてる!まみれてる!しっかり猫にまみれてる!これは、小さな頃からいつも猫がそばにいた絵本作家ミロコマチコが、猫たちとの様々なエピソードをイラストと文章で描き綴ったねこまみれエッセイ集だ。

 

 最初の方は、彼女が初めて飼った白くてふわふわの大きなオス猫、鉄三(てつぞう)とのエピソードがまとめられている。これはカレンダーにもなっていて、それがきっかけで「てつぞうはね」という彼女の絵本は生まれたらしい。鉄三は、病院で手術を受けた時には手足をガムテープでぐるぐる巻きにされたほどのあばれ猫。いつも白い毛に絵具の色がついていてミロコさんの「作品の一部」になっていたらしい。

 

 そんな鉄三が亡くなって、その後、少し経ってからやってきたのが外房線の近くて拾われた兄弟猫のソトとボウ。3分の2は彼らの話。後半には「ソトボウの大脱走」と「うちの子になるかい?大作戦」というマンガ仕立てのエピソードがあるのだけれど、何だかこれを読んでいると大島弓子さんの「グーグーだって猫である」やその続編「キャットニップ」シリーズを思い出してしまう。あまりに猫愛が強くて、それが本の中に収まりきれずに大きくはみ出してしまってる、その感じがよく似ているのだ。猫好きの思いは変わらない。

 

続きを読む

【文学賞】第八回山田風太郎賞は池上永一「ヒストリア」に決定!!!

 第八回の山田風太郎賞は池上永一さんの「ヒストリア」に決定しました。パチパチパチ!僕は未読ですが、アマゾンの内容紹介をここに引用してみます。

 

 

20年の歳月をかけた著者最高傑作!

第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族すべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉。一時の成功を収めるも米軍のお尋ね者となり、ボリビアへと逃亡するが、そこも楽園ではなかった。移民たちに与えられた土地は未開拓で、伝染病で息絶える者もいた。沖縄からも忘れ去られてしまう中、数々の試練を乗り越え、自分を取り戻そうとする煉。一方、マブイであるもう一人の煉はチェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまう……。果たして煉の魂の行方は?
『テンペスト』『シャングリ・ラ』の著者が20年の構想を経て描破した最高傑作!

 

  

続きを読む

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.10/4週)

 さて、出る本。今年のブラティスラヴァ世界絵本原画展で金のリンゴ賞を受賞した荒井真紀さんの新作絵本「チューリップ」(10/23)が出ます。受賞作の「たんぽぽ」は感想も載せましたが、荒井さんの絵は繊細で美しく、植物の不思議に満ち満ちています。これもまた楽しみ!!

 

○「たんぽぽ」の感想はこちらを

 

 

続きを読む

【書評】山下澄人「ほしのこ」-そうかそうか、山下澄人ってこういう表現をする人だったんだ!

 「しんせかい」で芥川賞を受賞した山下澄人の最新小説。「しんせかい」は内容だけではなく、文章や表現方法もおもしろく強く心を惹かれた。他の作品は未読なのだが、著者は様々な表現を試みていると聞いた。さて、この作品は?


 「ほしのこ」は童話のような物語。北国の海沿いの小屋に住む父と娘。天(てん)という名前の娘は父から「お前はこの星のものじゃない」と告げられる。父に連れられて遠くの星から来たのだと。そんな父との突然の別れ、そして、彼女の分身のようなルルという少女の出現、近くに住む昆布ばばあとの交流、自然の只中で天たちの暮らしは続く。

 

続きを読む

【BOOK NEWS】ヨシタケシンスケの新刊「こねてのばして」のプロモーションビデオ公開!

 というわけで、「出る本、出た本」で紹介したヨシタケさんの新作のプロモーションビデオです。ブロンズ新社、リキ入ってるなぁ。ふふふ。しかも、しっかりと他のヨシタケ本も紹介しちゃってるぞ。

 

 

【書評ランキングに参加中】

ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

 

【文学賞】2017年度・泉鏡花文学賞は松浦理英子「最愛の子ども」に決定!

 ちょっと遅くなりましたが先週発表された今年の泉鏡花文学賞、受賞作は松浦理英子さんの「最愛の子ども」でした。パチパチパチ!去年の受賞作、川上弘美さんの「大きな鳥にさらわれないよう」は読んだのですが、この小説は未読です。どんな小説なのか、アマゾンの紹介文を引用してみますね。

 

日夏(ひなつ)と真汐(ましお)と空穂(うつほ)。
夫婦同然の仲のふたりに、こどものような空穂が加わった。
私立玉藻(たまも)学園高等部2年4組の中で、
仲睦まじい3人は〈わたしたちのファミリー〉だ。

甘い雰囲気で人を受け入れる日夏。
意固地でプライドの高い真汐。
内気で人見知りな空穂。

3人の輪の中で繰り広げられるドラマを、
同級生たちがそっと見守る。
ロマンスと、その均衡が崩れるとき。
巧みな語りで女子高生3人の姿を描き出した傑作長編。

 

続きを読む