また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【映像化】ミステリー3冠!米澤穂信「満願」、NHk総合で8月に3夜連続ドラマに!

 おぉ、これ僕持ってます。2015年度の「このミステリーがすごい!」「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」すべてで1位になった短編ミステリー集。ミステリーファンではない僕も「おぉ、これはスゴイ」と思って買っちゃったんです。山本周五郎賞も受賞したし。で、感想ですが、え〜っと、まだ読んでないなぁ。すみません。

 

 全6篇のうちドラマ化されるのは「万灯」「夜警」、そして表題作の「満願」の3篇で、8月14日から3日間にわたりNHK総合で放送されます。それぞれの主演は、西島秀俊、安田顕、高良健吾。夜10時から59分間のドラマです。ううむ、役者もいいし楽しみ。8月までまだ時間があるから原作読まなくちゃ。っていうか、読むぞ、読むぞ、絶対読むぞ。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.6/3週)

 さて、出た本。宮崎駿監修、スタジオジブリ編の「トトロの生まれたところ」出てました。「となりのトトロ」の舞台になった所沢の四季折々を現地に住む宮崎朱美さんのスケッチと日記で紹介。さらに、宮崎監督のイメージボードやインタビューなども収録。そうか、所沢。行ったことないんだよなぁ。気になる!

 

◯岩波書店の特設ページはこちら

トトロの生まれたところ - 岩波書店

 

 もう一冊は広告の本。、コピーのみのコンペでは日本最大である「宣伝会議賞」の昨年分の結果をまとめた本「SKAT.17」出ました。一次審査通過以上の全入選コピー5336点と中高生部門の一票以上獲得コピー205点が収録されてます。グランプリなど上位の賞や協賛企業賞のコピーはドド〜ンと大きく、受賞者の言葉も載っていたりします。三次通過、二次通過とそれなりの大きさになり、一次通過は豆粒のようになっちゃって、肉眼では見えません(うそ)。あとは審査員の講評とか、過去の入賞コピーの紹介とか。まぁ、載ってるのはコピーばかりというある意味ヘンな本です。ぜひ、本屋さんで手に取って見てみてください。あ、これ、「スカット」と読みます。SENDENKAIGI AWARD TEXTの略です。

 

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【コミック】松本大洋「ルーヴルの猫」-猫たちは代々ルーヴルに住んでいる。時を超え空間を超える命の物語!

 松本大洋のコミックや絵本はいつも気になる。これは「ビッグコミックオリジナル」に連載されていたもの。オールカラーの大型本もあるのだけど、表紙はこちらの方が断然いい。鉛筆と薄墨で作画されたというやさしくて繊細な絵が素晴らしい。

 

 ルーヴルのガイドを務めるセシルは、案内の最中に小さな白い猫を見かける。まさかルーヴルに猫が?絵を見るためについつい出てきてしまうこの猫の他にも、美術館の中には数匹の猫がいる。それを知っているのは夜警の老人マルセルとその仲間たちだけ。彼は時々、猫たちに餌を与えている。この猫たち、代々ルーヴルに住んでいるという。

 

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【BOOK NEWS】村上春樹がDJ!「村上RADIO~RUN&SONGS~」8月5日TOKYO FMでオンエア

 

 わぁ、びっくりした。村上春樹さん自らがディレクターとなりDJもするラジオ番組がこの夏放送されます。テーマは「RUN&SONGS」。オンエアは8月5日、日曜日の19時から55分間、TOKYO FMで。TOKYO FMは全国38局ネットなので聴ける地域も多いと思います。Date fm、広島FMは20時から、FM沖縄は21時からの放送になっています。

 

 「アンアン」の連載をまとめた「村上ラヂオ」という楽しいエッセイがありますが(上に載せてみた)、まさか本人がDJになるとは。趣味であるランニングのこと、そして音楽の話がいろいろと聞けそう。自ら選曲も担当するということで、どんな曲を選ぶのかすごく楽しみです。あ、6月10日まで村上さんへの「音楽に関する質問」も受け付けてますよ。運がよければあなたの名前を村上さんが呼んでくれるかも。詳しくは下記を。

 

◯TOKYO FMの特設サイト、質問はこちらから

 

◯TOKYO FMのプレスリリース、村上さんのメッセージがあります


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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.6/2週)

 え〜っと今週はいろいろいろいろあるぞ。出る本、まずは「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」(6/6)、ほぼ日文庫から出ます。糸井さんの「自伝のようなもの」。古賀さんはアドラー心理学の本「嫌われる勇気」の人ですね。これは読みます。「ほぼ日」の紹介ページは下を。ほぼ日ストアなどで買うとポストカードが特典として付くみたいです。もちろん、アマゾンや本屋さんでも買えますよ。

 

 

 秋に映画が公開される柴崎友香の「寝ても覚めても」、すでに文庫になっていますが「寝ても覚めても:増補新版」(6/5)が河出文庫から出ます。増補新版ってなんだよ、って調べたら表紙が映画版になって、さらに主人公が登場する書き下ろしの短編小説「同じ街の違う夜」がプラスされるらしい。ううむ。「寝ても覚めても」は読んでるので、この短編も読みたいけどそのために買うのもなぁ。未読の人はぜひ!僕の書評も読んでみてください。

 

 

 

◯映画のホームページはこちら

 

 すでにこのブログでお知らせした村上春樹の最新作が掲載される「文學界 7月号」(6/7)も今週発売です。「三つの短い話」と題して「石のまくらに」「クリーム」「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」という短編3作が収録されています。期待!

 

 

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【書評】窪美澄「じっと手を見る」-弱き者へのまっすぐな眼差し!これこそ窪美澄の小説だと強く思う

 7つの物語からなる連作長編。最初の話から終わりまでの間に6〜7年の歳月が流れる。舞台は富士山が見える樹海のそばの地方都市。なんでも揃うショッピングモールと弛緩したようなフードコートのある町。主人公の1人日奈はそこで介護士をしている。同じ介護士の海斗と暮らしていた彼女は、自分の気持ちに気づき別れを切り出す。そこに現れるのが東京の編集プロダクションの男、宮澤だ。強く心惹かれる日奈。

 

 中心となるこの3人の男女、けっして愛される人間ではない。男たちは「やわらかく、ふるふるしたものが詰まっている」弱っちい人間だし、日奈も自分の都合だけで男とついたり離れたりしているように思える。日奈と宮沢は富士の見える場所を離れ、新しい町で暮らすようになるのだがそこもまた同じような地方都市、彼らの生活も歳月の中で倦んでゆく。

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【文学賞】第6回河合隼雄物語賞に松家仁之「光の犬」、学芸賞には鶴岡真弓「ケルト 再生の思想」

 このブログでも紹介した松家仁之の「光の犬」が第6回河合隼雄物語賞を受賞しました。パチパチパチ!選考委員は、上橋菜穂子、小川洋子、後藤正治、中島京子。このメンバーの選考で選ばれたらうれしいよなぁ。僕の中でもこの小説は今年読んだ中でのベスト。詳しくは下の書評を読んで欲しいのですが、北海道に住むある家族三代の物語。松家さんは静謐な文章で彼らの営みを、そして、それに連なる死を綴っています。これ、多くの人に読んで欲しいなぁ。

 

 

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