また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【映像化】吉田修一「犯罪小説集」映画化!タイトルは「楽園」、2019年公開予定

 映画化、決まりました!吉田修一原作映画といえば「悪人」「さよなら渓谷」「怒り」など印象的なものが多いので今回も期待度大です。原作の「犯罪小説集」は実際に起こった事件を下敷きにした5つの物語を収録した短編集で、2016年に出版されています。

 

 映画「楽園」で実際に原作になるのは、5つの中の2つ、「青田Y字路」「万屋善次郎」という物語です。前者のベースになっている事件は、1979年に起こった北関東連続幼女誘拐殺人事件。後者は2013年に起きた山口連続殺人放火事件。つながりのない2つの事件をどうつなぎ、再構成するのか、とても楽しみ。吉田修一さんもコメントしています。

 

私が描いた「犯罪」と、瀬々監督が思い描く「楽園」が、スクリーンの中でどのように響き合い、どのような「人間」のドラマを見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。原作となる二つの短編から飛躍した大きな物語が、そこに生まれることを信じております。

 

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【写真集/感想】水口博也他「世界で一番美しいペンギン図鑑」-カワイイ?いや、彼らは凛々しく、たくましく、美しい!

 先週からアニメの「ペンギン・ハイウェイ」が始まり、今週末からは「皇帝ペンギン ただいま」も公開。にわかにペンギン映画ブームですが、ペンギンってやっぱりカワイイってイメージなのかな?僕も水族館に行くと、彼らの前ではついつい長居をしてしまうのだけど、そういう場所で感じる印象とこの写真集のペンギンたちのイメージは随分違う。

 

 「世界で一番美しいペンギン図鑑」は、クジラやイルカの写真集で有名な写真家・水口博也さんと長年野生生物の撮影を続けている長野敦さんの写真を中心に、他のフォトグラファーの作品も収録し編集したペンギン写真集だ。

 

 彼らの生息地は南極大陸を中心としたニュージーランドや南米の沖合の島々。熱帯の海辺や温帯の森林など雪や氷とは無縁の場所で生きているペンギンも多い。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.8/4週)

 先週は引っかかる本がなかったので新刊案内はお休みでした。今週は4冊紹介!まずは出た雑誌。雑誌「MOE」の最新号はスヌーピーの特集。六本木にあるスヌーピーミュージアムは来月で会期を終えて閉館しますが、来年秋には南町田に移転するんですね。「MOE」のスヌーピー特集は切り口が気になるところ。

 

 そして、ヨシタケシンスケの最新作「それしか ないわけ ないでしょう」が付録に。「MOE」前もヨシタケさんの「つまんない つまんない」を付録に付けてました。ううむ。

 

◯スヌーピーミュージアムのホームページはこちら


 出る本、「天女銭湯」がおもしろかった韓国の絵本作家ペク・ヒナの新作絵本「あめだま」(8/23)が出ます。表紙見ただけでいい感じ!翻訳も「天女銭湯」と同じ長谷川義史さん。これは期待できそう。

 

◯プロモーションビデオもあります!

 

◯「天女銭湯」の僕の感想はこちら

 

 

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【書評】木皿泉「さざなみのよる」-死者のコトバが伝わり、残り、生き続ける。その幸せ!

 これは今年のベストかもしれない。NHKで2016、2017年のお正月に放送されたドラマ「富士ファミリー」の後日談、じゃなくて前日談的な物語。ドラマでは、本のキーパーソンであるナスミはすでにユウレイだが、小説ではその冒頭で彼女の死が描かれる。43歳。がんだった。ナスミ役、ドラマでは小泉今日子。これはもうしっかりと頭に焼き付いているのでどーしようもない!小説でもナスミはコイズミ。そのイメージで読んだ。


 「富士ファミリー」というのは近所の中学生からニセコンビニと呼ばれているナスミの実家。彼女は20代半ばでここを出て東京に行ったが、結局、結婚した夫と共に戻って来て地元で死んだ。


 「さざなみのよる」は、彼女が残したコトバや行動がまるでさざなみのように、いろいろな人の心の中に広がっていく物語だ。全体は14のエピソードに分かれているが、最初はナスミの姉や妹、夫や祖母との生前の話が描かれる。しかし、その対象は肉親だけにはとどまらない。家出未遂の男友達だったり、小さな頃に彼女を誘拐しようとした男だったり、愛読マンガの作者だったり、「ナスミさんになりたい」と願って本当にナスミになっちゃった?女性だったり。さらにさらに、彼女とは面識のない小さな女の子だったり。

 

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【絵本】「ほぼ日」、糸井重里×ヨシタケシンスケ対談「絵本の懐は深いぞ。」がおもしろかったぞ!

 紹介しようと思ってちょっと時間が経っちゃったのですが、「ほぼ日」で連載された糸井さんと絵本作家ヨシタケシンスケさんの対談「絵本の懐は深いぞ。」、これがなかなかおもしろかったです。この対談は絵本雑誌「MOE」の40周年記念展の記念イベントとして行われたもの。

 

 「MOE」って雑誌のおもしろさは僕も薄々感じていましたが、2人の話を聞いて激しく納得。話はさらに絵本自体の懐の深さ、ヨシタケワールドの話へと進んでいきます。最近は絵本なんて見たことも読んだこともない、という大人の人々にぜひぜひ読んで欲しい対談です。読み終えたらきっと、ヨシタケさんの絵本を手に取ってみたくなりますよ。少しだけ対談からの引用を。

 

 

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【ドラマ】野木亜紀子、秋ドラマ2本!「獣になれない私たち」「フェイクニュース」!

 本当は本の話よりドラマの話をしてる方が楽しいかもしれない私です。え〜っと「逃げ恥」「アンナチュラル」の脚本家・野木亜紀子、秋ドラマ2本もあります。

 

 1本目は日テレ水曜10時のドラマ「獣になれない私たち」、ちょっと前から話題になっていましたが主演は新垣結衣!そして、松田龍平。野木さんによると「ラブかもしれないストーリー」だそうです。野木×新垣コンビは「空飛ぶ広報室」「掟上今日子の忘備録」「逃げるは恥だが役に立つ」に続いて4本目。通称「けもなれ」!楽しみ!

 


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【BOOK NEWS】芥川賞受賞第1作、村田沙耶香「地球星人」8月31日発売!

 ちゃんと表紙が載るまで待っていようと思っていたのですが、なかなか出ないのでとりあえず情報だけ(表紙出たので載せました)。雑誌「新潮」5月号に380枚分が一挙掲載された村田沙耶香の「地球星人」の単行本が今月末発売になります。

 

 そうか、これ芥川賞受賞作「コンビニ人間」以来の新作なんですね。他の小説の文庫化があったし、もう新しい作品が出ているって思ってた。「新潮」で読んだ人の評判はなかなかなのでちょっと楽しみです。

 

 あ〜っこんなの雑誌に載ったんだ読みたい!って「新潮」買う人もいるかもしれませんが、かなり加筆や直しがあると思うので、ここは月末まで我慢した方がいいですよ。

 

あ、冒頭の「立ち読み」があった。ううむ、なるほどなるほど。出たら、買おう!

  ◯「コンビニ人間」、僕の書評はこちらから

 

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