また、本の話をしてる

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【文学賞】第9回Twitter文学賞、結果が発表になりました!

国内編

1深緑野分「ベルリンは晴れているか」

2五條瑛「焦土の鷲 イエロー・イーグル」

3高山羽根子「オブジェクタム」

4多和田葉子「地球にちりばめられて」

5姫野カオルコ「彼女は頭が悪いから」

6円城塔「文字渦」

7津村記久子「ディス・イズ・ザ・デイ』

   山尾悠子「飛ぶ孔雀」

   奥泉光「雪の階」

8飛浩隆「零號琴」

   王谷晶「完璧じゃない、あたしたち」

9朝倉かすみ「平場の月」

10平野啓一郎「ある男」

  森見登美彦「熱帯」

 

海外編

1ミランダ・ジュライ「最初の悪い男」

2パク・ミンギュ「82年生まれ、キム・ジヨン」

3呉明益「自転車泥棒」

4リチャード・フラナガン「奥のほそ道」

5チョン・セラン「フィフティ・ピープル」

6グレアム・スウィフト「マザリング・サンデー」

7ケン・リュウ「折りたたみ北京」

8ジョージ・ソーンダーズ「リンカーンとさまよえる霊魂たち」

9ルーシャス・シェパード「竜のグリオールに絵を描いた男」

 アリ・スミス「両方になる」

10 フィオナ・マクラウド/ウィリアム・シャープ「夢のウラド」

  ジョゼ・ルイス・ペイショット「ガルヴェイアスの犬」

 

 取り急ぎ、速報的に。やっぱりこの賞はおもしろいですね。結果発表会の動画はこちら。

 

◯HPはこちら。1票の小説まで発表されています。


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【広告コンペ】雑誌「宣伝会議」4月号で「宣伝会議賞」2次3次審査通過者と協賛企業賞他が発表になりました!

 

 はい、発表になりました。今年は私、特に報告はありません。去年はヘロヘロと浮かれていましたが、今年はなんというか、つまんないなぁ、って感じ。今後の「身の振り方」はこれから考えます。

 

 で、ネットなどなどで知り合ったコピーフレンドの7割ぐらいが受賞してるんじゃないかというぐらい知ってる人が協賛企業賞を取っていました。特に北海道の三上智広さんは2年続けて3課題の受賞です。そして、中央大学教授の山本朝子さんは4年連続の協賛企業賞。この2人、スゴすぎません?いやぁ、もうとんでもないです。

 

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【書評】原田ひ香「DRY」- 境遇の似た2人の女の悲しみ。その悲しみはあまりに深く、あまりに切ない

 ちょうど真ん中あたりか、「そのこと」が分かった時に、思わず声が出た。これって原田ひ香の小説だよねぇ…。ううううううむ、驚いた。作者初のクライムノベルということは知っていたけれど、こういう話だったとは!桐野夏生かよ。さらにタイトル。序盤、主人公の藍は元夫から「お前、乾いた女なんだよなあ」と言われる。そうか、ここから来てるのか、とその時点では思ったのだが違っていた。タイトルはまさに「そのこと」から来ていたのだ。う〜む、なんだかすごい話を読み始めちゃったなぁ。

 

 主人公の藍は離婚したばかり。母が祖母を刺した事件をきっかけに十数年ぶりに実家に戻ってくる。2人は元々仲が悪く、母は男に走り、祖母はお金に汚い。藍も2人にはずっと冷たくされながら育って来た。彼女らに対する恩など少しもない。それでも彼女は生きていくために、保釈された母と退院した祖母が住む袋小路の家に戻ることを決めたのだ。

 

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【コミック】手塚治虫文化賞、マンガ大賞のノミネート作発表!「海街diary」「ダルちゃん」など11作

 今年で23回を迎える朝日新聞社主催の「手塚治虫文化賞」。ノミネート作品、全11作が発表になりました。ノミネートのコミックは、秋本治、杏、桜庭一樹など8人の選考委員の投票と書店員、マンガ関係者、読者などの関係者推薦をもとに選ばれるそうです。関係者推薦の1位は「海街diary」、ううむ強いな。では、全作品を紹介しますね。

 

山田参助「あれよ星屑」

吉田秋生「海街diary」

篠原健太「彼方のアストラ」

柏木ハルコ「健康で文化的な最低限度の生活」

牧野あおい「さよならミニスカート」

有間しのぶ「その女、ジルバ」

はるな檸檬「ダルちゃん」

コナリミサト「凪のお暇」

原作:草水敏、漫画:恵三朗「フラジャイル」

羅川真里茂「ましろのおと」

原作:白井カイウ、 作画:出水ぽすか「約束のネバーランド」

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2019.2/5-3/1週)

 さて、出る本。村上春樹「騎士団長殺し 第1部:顕れるイデア編(上)(下)」(2/28)、文庫化です。まずは今月末に第1部が2分冊で出て、来月末に2部が出ます。この物語、僕はとてもおもしろく読んだけどなぁ。表紙、思わせぶりの単行本よりこちらの方が好き。

 

◯「騎士団長殺し」の僕の書評はこちら

 

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【コミック】「ダルちゃん」はるな檸檬×矢部太郎、CanCam対談、必読です!!!

 先日、このブログで紹介したはるな檸檬さんの「ダルちゃん」。昨年末の発売ですがすでに多くの人が読んでいるようで驚きました。未読の人にはとにかくおすすめのコミックです。

 

 さて、そんな「ダルちゃん」の作者はるな檸檬さんと「大家さんと僕」の矢部太郎さんの対談がCanCam.jpに掲載されています。これおもしろかったぁ。気になる発言がいろいろありました。少しだけ紹介。

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【書評】吉田修一「犯罪小説集」-映画化決定!人と人の間で起こる犯罪の「核心」に迫る物語

 5つの物語が収録された短編集だが、そのうちの2編「青田Y字路」と「万屋善次郎」が選ばれ、「楽園」というタイトルで今秋、映画になる。監督は「64-ロクヨン」などの瀬々敬久。選ばれた2つの物語にはつながりがない。それをどうつなげて1本の作品に仕上げるのか、映画もまた楽しみだ。

 

 さて、小説。吉田修一がさすがだと思うのはタイトル通りの犯罪小説5編なのだけど、各々のトーンが微妙に違うこと。その変化が楽しい。「青田Y字路」が北関東連続幼女誘拐殺人事件など下敷きになった犯罪があるのだが、実際の事件をベースにしながらも小説としての奥行きがあるのもさすがだ。描かれているのは犯罪の細部ではない。犯罪を犯したものとその周囲の人々との関係、そして、一人一人の心の襞だ。それをしっかりと描くことによって吉田修一は人と人との間で起こる犯罪のその「核心」へと迫っている。

 

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