お~「ウォッチメイカー」文庫化。それにしてもこの表紙はスゴいな。上巻は「ウォッチ」、下巻は「メイカー」がド~ン。まぁ、こういうデザインがないわけじゃないが。さて、この小説、「ボーン・コレクター」が第1作であるリンカーン・ライムシリーズの7作目で2007年度のミステリー各賞を総なめした傑作だ。僕は単行本で読んだ。
シリーズ7作目だから当然といえば当然だが、この物語、車イスの元ニューヨーク市警科学捜査本部長リンカーン・ライムをはじめライム組各人の人物の造形が素晴らしい。これだけキャラが立っていれば、物語も動かしやすいよなぁ。その中でも、鑑識捜査官としてライムの手となり足となるアメリア・サックス、今回、助っ人的に登場する人間ウソ発見器、キネシクスの専門家であるキャサリン・ダンスの個性が際立っている。
そして、今回の殺人者"ウォッチメイカー"、残忍な手口と現場にアンティークの時計を残す謎めいた行動、敵役としての存在感もなかなかのものだ。冒頭で起こる2件の殺人事件、それが連続殺人へと発展していきライムたちが動き出すのだが、後半はドンデン返しに次ぐドンデン返しで、ラストは驚くべき事件の真相が明らかになる。このスピード感とエンタティンメント性はディーヴァーならでは。ここまでドンデンしちゃうと軽さを感じたりもするのだが、それも許されちゃうような楽しさがある。
事件の後日談的な第4部が何ともいい感じで後味もとてもいい。未読の人はぜひ!これを読んだらまたまた今年のベストテンをにぎわせそうな新作「ロードサイド・クロス」にいくか、1作目「ボーン・コレクター」から始めるか、年末年始のお楽しみにはぴったりかも。
2010.11.11 午前中に講談社から村上龍の「歌うクジラ」上下が届いてビックリ。そうか講談社のメールのアレが当たったんだ。きゃ~うれしい。買おうと思ってたのに。ふふふ。さらにこれまた講談社から来年1月発売の読者モニター本まで届く。なはははは。講談社、えらいっ!
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