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【絵本/感想】シドニー・スミス他「あらしの島で」ーあらしのまえの海を見に行こう!ちょっぴり冒険心をそそられるドキドキな絵本


 シドニー・スミスの絵本はここでも何度か紹介してる。自分で文章も絵も描く作品もあれば今回のように絵だけ描いてる場合もある。彼の絵は精緻ではないが不思議な情感があってすごく好きだ。

 ブライアン・フロッカが文章を書いた「あらしの島」で。兄妹らしき2人が横殴りの雨と岩に打ち付ける大波の中を走ってる表紙が印象的だ。タイトルなども入った最初の見開き、嵐で吹き飛ばされた洗濯物をお母さんが拾い集めている。雲、海、木々、空を飛ぶ鳥たち!ページをめくると「さあ、手をつないで、あらしのまえの海を見に行こう。」という言葉。薄暗い家の奥から玄関を描いた絵、ある島に住む兄妹が外に出て行こうとしてる。入り江に続くじゃり道を足早に歩く2人。見開き画面を横に3分割して絵と文章を入れる構成が効果的だ。

 海に近い大きな骨みたいな岩に立った2人に「ドーン」「バシャーン」と波が押し寄せる。「ぼくらはここにたって、からだじゅうで感じる。風と、岩と、波と、水を!」、シドニー・スミスの波の表現がすごい。さらにどんどん歩いていく2人。「もう、気がすんだ? それとも、まだ?」それでも2人は先へ先へと進んで行く。島の町にはもう人影もなく、今度は雷が「ゴロゴロ、ドーン!」、さて、兄妹の運命は??あとは読んでのお楽しみだけど、後半、家へと急ぐ2人の描写、嵐の後の島と海の描写が素晴らしい。遠い昔、台風が来るとワクワクして外に出たくなっちゃった自分を思い出す。ちょっぴり冒険心をそそられるドキドキな絵本!ぜひ!
◆DATA ブライアン・フロッカ・文 シドニー・スミス・絵「あらしの島で」(偕成社) 

 

◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)