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【絵本/感想】ヨシタケシンスケさく 伊藤亜紗そうだん「みえるとかみえないとか」-とにかくヨシタケさんに拍手喝采!

 伊藤亜紗そうだん、っていうのがいいなぁ。伊藤さんは「目の見えない人は世界をどう見ているのか」という新書の著者で、美学を専門に、アート、哲学、身体に関連する横断的な研究をしている人だ。発行元であるアリス館の編集者が彼女の本をヨシタケさんに紹介したことで、この絵本の企画はスタートした。これは目の見えない人たちをテーマにした絵本だ。ヨシタケさん、難しかっただろうなぁ。本当ならやりたくなかったよなぁ。と、勝手に思う。死をテーマにした「このあとどうしちゃおう」なんかより数倍難しかったに違いない。

 

 ってことはさておき、この絵本を楽しみたい。だってこれ、宇宙飛行士が主人公でなんだかおもしろそうだから。いろんな星を調査しているこの男がやって来たのは後ろにも目がある3つ目の人々?の星。あ、表紙の真ん中にいらっしゃる緑の人ね。で、この宇宙飛行士、3つ目の人たちから「かわいそう」って言われる。自分の背中が見られないなんて!と。

 

  そういえば彼はどの星でも「めずらしいからだ」の持ち主になっちゃう。彼自身は「この身体」がふつーだから、ふつーなんだけどね。で、その3つ目の皆さんの星に「うまれつきぜんぶの目が見えない人」がいたのよ。いたのよ、ってヨシタケさん天才過ぎませんかね。舞台を宇宙にしたこと、そこに出てくる「ふつー」と「ふつーじゃない」、おもしろいと伝えたいこととが見事に同居している。

 

 で、この後は読んでのお楽しみってことにしたいな。コミュニケーションをとる大切さ、互いを知る楽しさ、同じところと違うところ、気がつくことと気がつかないこと。いいなぁ、おもしろいなぁ。子供たちはこれを読んでどんなことを思うのだろう、どんなことを話すのだろう。とにもかくにも、ヨシタケさんに拍手喝采!パチパチパチ!!

 

◯伊藤亜紗さんのこの本も読みたい!

 

◯ヨシタケさんの他の絵本の感想や情報はこちら!

 

2018.8.26 暑かったり涼しかったりいい加減にしてね。来週はまたまた台風が。読書は遠田潤子「雪の鉄樹」がもうすぐ終わりそうで終わらない。

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