また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.12/3週)

 さてさて、出る本。今週は文庫化2冊です。1冊目は小川洋子の「琥珀のまたたき」(12/14)。母親によって別荘に閉じ込められた子供たちの話。小川洋子ワールド全開の物語です。こういう世界が好きな人はぜひ!まずは僕の書評を読んでみてください。

 

 文庫化もう1冊は「100万分の1回のねこ」(12/14)。佐野洋子の名作絵本「100万回生きたねこ」に捧げる13人の作家によるトリビュート短篇集。なかなかすごいメンバーです。アマゾンからその内容を。

 

江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
岩瀬成子「竹」
くどうなおこ「インタビューあんたねこ」
井上荒野「ある古本屋の妻の話」
角田光代「おかあさんのところにやってきた猫」
町田康「百万円もらった男」
今江祥智「三月十三日の夜」
唯野未歩子「あにいもうと」
山田詠美「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」
綿矢りさ「黒ねこ」
川上弘美「幕間」
広瀬弦「博士とねこ」
谷川俊太郎「虎白カップル譚」

 う〜ん、これは気になる。各々のタイトルだけで、興味が湧いてきます。単行本で買えなかったからこれはぜひ!

 

 2018.12.10 急に真冬の東京。鼻水が止まらないっ!読書は宮部みゆき「昨日がなければ明日もない」

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【書評】塩田武士「歪んだ波紋」-それは「誤報」か「虚報」か?マスメディア、ネットメディアの未来は?

 「罪の声」であのグリコ・森永事件の闇に切り込んだ塩田武士。この連作短編集でテーマにしたのは「誤報」だ。5つの物語の舞台になるのは地方新聞や全国紙、テレビ、さらにはウェブニュース。主人公はその記者やOBたちだ。登場人物たちは少しずつつながりがあり、最後の物語ですべてが一つになる。

 

 テーマを「誤報」と書いたけれど一言で言えるほど単純な話ではない。誤報は故意に書かれたものではないが、ここでは「虚報」や「虚偽放送」なども登場する。一昔前までは揺るぎない信頼のメディアだった新聞。ネットの時代では速報性で勝てるわけはなく、記事の深度こそが問われているはずだが、それを脅かす者たちがいる。誰が?いったいなんのために?

 

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【映像化】角田光代の傑作「坂の途中の家」がWOWOWで来春ドラマに。主演は柴咲コウ!!

 文庫化をお知らせしたばかりの角田光代さんの傑作「坂の途中の家」が、WOWOWで連続ドラマになります。おぉぉぉぉ!主演は柴咲コウさん。主役の里沙子はなかなか難しい役なので彼女にピッタリじゃないかなぁ。放送日時は決まっていませんが「来春スタート」らしいです。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.12/1-2週)

 出た本。沢木耕太郎の「作家との遭遇ー全作家論ー」出てました。9月に出た「全エッセイ」と似た装丁なのでこういうのがもう少し出るのかな?紹介されている23人の作家は以下の通り。ちょっと気になる!

 

井上ひさし、山本周五郎、田辺聖子、向田邦子、
塩野七生、山口瞳、色川武大、吉村昭、近藤紘一、
柴田錬三郎、阿部昭、金子光晴、土門拳、高峰秀子、
吉行淳之介、檀一雄、小林秀雄、瀬戸内寂聴、山田風太郎、
ロスワイラー、カポーティ、ゲルダ・タロー、そしてアルベール・カミュ。

 出る本、筒井ともみ作、ヨシタケシンスケ絵の「いいね!」(12/5)出ます。筒井さんは映画「ベロニカは死ぬことにした」「食べる女」などの脚本家。紹介文をアマゾンから引用してみます。

 

やわらかアタマが世界を変える!子どものための明るく楽しい生き方指南書。いやなことも、だめなことも、ちょっと見かたを変えたなら・・?
世の価値観をひっくり返す20のお話!

 

 「ヒーロー」っていいね、「ひざ小僧」っていいね、「鼻の穴」っていいね、などなどちょっとおもしろそうな話がズラリ!ヨシタケさんのイラストがどんな感じで絡んでいるのかも楽しみ。これは読みたい。

 

 文庫化が2冊。1冊目は村田沙耶香の「きれいなシワの作り方」(12/4)。これは「anan 」で連載されてたヤツですね。初めてのエッセイ集の文庫化です。これもアマゾンからの引用。

 

「こんなこと気にして、自意識過剰で、馬鹿だなあ」と笑ってほしい、と著者(「文庫版あとがき」)。
時に、こんなことまで書いちゃっていいの? と不安にさせられる、芥川賞作家(「コンビニ人間」)の赤裸々エッセイ。

 

 不安にさせられる、のね。村田沙耶香さんの頭の中はいろいろ気になるところです。

 

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【ドラマ/書評】「脚本家 坂元裕二」-これを読めば坂元裕二と彼のドラマのすべてがわかるっ!!!

 

 「それでも、生きていく」「Mother」「いつかこの恋を思い出して泣いてしまうだろう」「カルテット」「anone」などの脚本家・坂元裕二と彼が書いたドラマにグイグイと迫った最高の1冊。小説ではないけどこれは今年のマイベストに入るんじゃないかな。ううむ、入りそう。  

 

 坂元さん自らの解説付き全ドラマ作品年表、よしもとドラマ部による名ゼリフ集や名キャラ集ももちろん読ませるが、坂元さんへの2つのイ ンタビューと出演者との対談・インタビューがとびきりおもしろい。インタビューは芦田愛菜、YOU、松たか子、広瀬すず他。対談は満島ひかり、瑛太、有村架純、宮藤官九郎。演出の並木道子、土井裕泰、水田伸生他へのインタビューもある。俳優たちやスタッフの話には坂元に対するリ スペクトが溢れているし、彼のドラマを演じること、演出することへの喜びを強く感じる。あのドラマこのドラマの裏話的な話も満載でそれもまた楽しい。彼自身のインタビューではかなり細かくドラマとその脚本について語られていて、お〜っと驚いたり、ううむと唸ったり、いちいち反応してしまう。

 

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【絵本】人形絵本「あめだま」作家ペク・ヒナ×長谷川義史、必読のトークイベントレポート!!

 このブログでも紹介した韓国の人形絵本作家ペク・ヒナさんと訳者でもある絵本作家・長谷川義史さんのトークイベントのレポートが出版社であるブロンズ新社のブログに掲載されています。「あめだま」、その前の「天女銭湯」とコンビを組んでいる2人ですが、このトークは読み応えたっぷり!それぞれの絵本へのこだわり、相手へのリスペクトが伝わって来てうれしくなります。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.11/5週)

 ブログ、ちょっと間があいてしまいました。すみません。さて、出た雑誌。「芸術新潮」12月号。特集が「これだけは見ておきたい2019年美術展ベスト25」。去年も同様の特集をやりましたが、これはちゃんと読んで来年の計画を練っておきたいところ。クリムト展、バスキア展あたりが目玉か?「芸新手帳」と「オリジナル手ぬぐい」の2大付録付き。

 

 出る本。宮部みゆき「昨日がなければ明日もない」(11/28)出ます。「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」「希望荘」に続く杉村三郎シリーズの第5弾。中編3話が収録されています。前作では離婚して私立探偵になった杉村。今回も解き放たれたような彼の活躍が楽しみです。

 

◯当ブログで紹介したシリーズの過去作

◯宮部さんのインタビューもぜひ!!

 

 

 燃え殻「ボクたちはみんな大人になれなかった」(11/28)が文庫になります。これは、去年のマイベストの2位。1位とは僅差でした。こういうの書けそうで書けないよなぁ。不思議な魅力がある小説。僕の書評をぜひ読んでみてください。おすすめ!!

 

 

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