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【落語/感想】立川談春「赤めだか」-記憶力、観察力、表現力、すべてが一体となったスゴい文章。おもしろすぎるぞこれ!

 連載当時、あの北上次郎が「あらゆる雑誌の連載の中でいまいちばん面白い」とほめちぎり、福田和也が「プロの書き手でもこの水準の書き手はほとんどいない」とまで言ったこの才能!落語家立川談春の「赤めだか」、いやぁ、とにかくおもしろい。たぶん、何度読んでも引き込まれるだろう。こういう本はめったにない。

 

 さて、談春といえば立川談志の弟子。この「赤めだか」は、彼が談志の元に入門し、前座生活をへて、真打ちになるまでを描いた自伝的な物語だ。おもしろさ、っていうのにもいろいろあると思うがこの本の場合は、著者の記憶力、観察力、表現力、そのすべてが一体となったような「文章の底抜けのおもしろさ」、だろう。本人が何かで書いていたが、入門時のことは談志がなんて言ったのか、そのすべてを記憶しているらしい。そして、人を見る目の確かさ。これはもう怖いぐらいだ。兄弟子、他の師匠、兄弟弟子はもちろんのことあの談志でさえ、グサッとやられている。いやはやいやはや。

 

 ラスト近くの米朝とのエピソード、小さんと談志の話はちょっとすご過ぎてドキドキする。まだまだ読みたいぞ、談春!!

 

◯「赤めだか」は2015年11月、扶桑社文庫で文庫化されました。

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