「hi mi tsu ki chi」、つまりは秘密基地、カメラマンの西宮大策が東京近郊で少年少女の作った秘密の場所を撮影した写真集だ。秘密基地なのだから、ヒミツである、だから簡単には見つからない。それでも子供たちに聞いてまわって見つけたのが20個の基地、この本ではそのうち13個が紹介されている。というようなことが巻頭に書かれている。お~お~お~、もちろんそのタイトルを知った時からヘンにテンション高く盛り上がっていたのだが、これを読んでさらに盛り上がった。さぁさぁさぁ、見てみよう!見てみよう!見てみよう!
………がっくし。なんだか全然つまらない。今の子の秘密基地ってこんなの?僕と松石くんが作ったヤツなんて木の上にあってもっとぜ~~~んぜんカッコよかったぜ。それにビニールとかダンボールとか、そんなもんは使ってない。木だけでできてて、しかも、そう簡単には見つからない。
巻末に僕も好きな建築家中村好文さんの文章が載っている。そこには「結界」であるとか「巣作り本能」だとか「場の力」だとか、もっともらしい言葉が連ねてある。はいはい、それはまぁ、わかりますよ。でも、その方向でこれを語るのはちょっと…。これ東京で探したのが間違いではないのか。都会の子より田舎の子の方が想像力があるのでは?
というわけでみなさん、みなさんはどう思う?本屋さんでちょっと見てみてね。川上弘美、甲本ヒロト絶賛だって。賛否両論だな、って否は僕だけだが。結界とか、そういう話でこの写真集を語れる人にはそれなりにいいのかもしれないのだけど…。
2010.9.4 これは9月ではない、あきらかに9月ではない。来年もこんな調子なら、僕は本当に怒るぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。
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