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【ノンフィクション/書評】森まゆみ「風々院風々風々居士 山田風太郎に聞く」-その心のありようの素敵なこと!

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 タイトルになっている「風々院風々風々居士」、これは山田風太郎が勝手に名付けた自らの戒名である。最高じゃないか!しゃれっけのある人なのだ。そんな山田風太郎に森まゆみが会って話して、その話をまとめた聞き書き集がこの本。山田風太郎といえば何といっても「忍法帖シリーズ」である。おもしろすぎるほどおもしろい。次から次へと繰り出される奇想天外な忍法にア然とし、ストーリーテラーとしてのうまさにボー然とする。そんなシリーズの著者の名前が「風太郎」なのだから、もう、何をかいわんや!とにかく読めばよろしい。読んで読んでその世界にどっぷり浸れば幸せなのである。

 

 聞き手の森さん、この人も、ただの(すまん)谷根千の女(すまん、すまん)かと思っていたら、いろんな方面に興味があるらしく、しかも深く激しく潜行する人のようで、なんだか素晴らしい。その彼女が風太郎さんの大ファンなのだ。この座談ではちょっと緊張しながらも、しだいに打ち解けていく感じがよくわかる。

 

 話は戦争のこと、生い立ちのこと、本のことなどなど、本当に楽しい。そして、山田風太郎の心のありようの素敵なこと。達観というのでもなく諦観というのでもなく、その名前のようにひょうひょうとしている。この聞き書きを読めば、彼の人となりがよく分かるに違いない。第三章の明治小説についての座談も貴重だ。僕はまだ風太郎もう一方の柱である、この明治小説には1冊も手をつけていない。しかし、これは読まんとイカンなぁ。やたらとおもしろそうだもんなぁ。

 

2010.10.6 朝日新聞から紙面モニターの謝礼の図書カードが届く。ムフフフフ、うれしい。あれとあれとあれも買っちゃおうっと。あ、明日から「ブラタモリ」再開ですよ、お忘れなくね。

 

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