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【絵本/感想】荒井真紀「たんぽぽ」-う〜ん、植物の世界は不思議に満ちているなぁ

 スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年毎に開かれるブラティスラヴァ世界絵本原画展で今年、金のリンゴ賞を受賞した絵本。気になったのですぐに読んでみました。この賞は絵本ではなく原画に贈られる賞なのだけど、絵はもちろんのこと内容も素晴らしくてちょっと興奮!荒井真紀さん、すごいなぁ。

 

 荒井さんはボタニカルアート展で何度も入賞してるだけあって、描写がこまやかで美しい。表紙を見るだけで分かりますよね。最初の見開きは冬のたんぽぽ、地面にぴたっと張り付いて広がっている葉っぱと地中に深く張っている根。次の見開きは、春がやってきて葉の付け根にできたつぼみが丸くふくらんでいく様子。この2つの見開きだけで圧倒されてしまう。

 

  知らないことも多かった。たんぽぽの花がたくさんの小さな花でできていることは何となく知っていたけれど、その小さな花が全部咲いてしまうと閉じたままになり開かなくなることや、開かなくなったたんぽぽが次々地面に倒れてそこで種を育てていること。さらに、綿毛が育ち種が熟すと倒れていた茎が次々立ち上がること、などなど。う〜ん、植物の世界は不思議に満ちているなぁ。しかも、そのプロセスを丹念に描いて見せてくれるので本当に感動的。よく育ったたんぽぽからは200個もの種が飛び立つそうですよ。

 

 荒井さんには同じ金の星社から「ひまわり」「あさがお」も出てるのでぜひぜひ読んでみようと思っています。あ、10月には「チューリップ」も!楽しみ、楽しみ! 

 

2017.9.23 録画していた「眩(くらら)〜北斎の娘」が素晴らしい出来。長い物語を1時間強のドラマにまとめた大森美香すごし。読書は宮部みゆき「この世の春 上」。

 

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