ヨシタケさんの絵本としては「あつかったらぬげばいい」に続く白泉社の「MOEのえほん」シリーズの1冊。この15×15cmの正方形の作りがカワイくてなんだか好き。
ヨシタケさんの絵本ではよくある「見開きで完結していく」スタイル。シンプルだけどこのスタイルは楽しい。さて、最初の見開き!普通に考えると、左ページ「かみはこんなにくちゃくちゃだけど」→右ページ「いつかかしゅになりたいの」なのだが、この絵本では「いつかかしゅになりたいの」→「かみはこんなにくちゃくちゃだけど」となっている。ううむ、これって多分、難易度が高い。おもしろい味を出してるのもあるのだけど、ヨシタケさんにしてはちょっと切れ味が悪いものもけっこうある。
ただこの絵本、ページ数が多いので、どんどん見ていくとなんだか知らないけれど不思議な感動が生まれてくる。ううむ、なんだろう?人々の日々の営みの中にあるちょっとした希望や喜び、そこにある思い、そんなものがいつの間にか心を揺さぶってくる。ヨシタケさんの絵は相変わらず楽しいし、名久井直子さんのデザインもすごくいい。
◆DATA ヨシタケシンスケ「かみはこんなにくちゃくちゃだけど」(白泉社)1000円(税別)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)