大事なことは、聞き逃してしまうほど平凡な言葉で語られる――。
「国立現代図書館」設計コンペの闘いと、若き建築家のひそやかな恋を、
浅間山のふもとの山荘と幾層もの時間がつつみこむ。
朝日、毎日、読売、東京、共同ほか各紙文芸時評で話題沸騰!
胸の奥底を静かに深く震わせる、鮮烈なデビュー長篇。
「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった――。
物語は、1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。
「ぼく」が入所した村井設計事務所は、夏のあいだだけ、
軽井沢の別荘地に事務所機能を移転するのが慣わしだった。
所長は大戦前のアメリカで名匠ライトに師事し、時代に左右されない
質実で美しい建物を生みだしつづけてきた寡黙な老建築家。
秋に控えた「国立現代図書館」設計コンペに向けて、所員たちの仕事は
佳境を迎え、その一方、先生の姪と「ぼく」とのひそやかな恋が、
ただ一度の夏に刻まれてゆく――。
ディテールのひとつひとつに小説を読むよろこびが満ちあふれ、
「いつまでも読んでいたい」という声多数の、類まれな長篇小説。
【第64回読売文学賞受賞作】
とにかくこの小説は文章が静謐で豊かで何とも言えない味わいがあるんです。北軽井沢で展開される設計コンペを真ん中に置いた物語も素晴らしく、何で文庫にならないかとずっと思っていました。たぶん、松家さんには何らかの意図があったと思うのですが。いずれにしても多くの人に読んでもらいたいのでとても嬉しい文庫化です。僕の書評も読んでみてください。
さてもう1冊は坂元裕二「ファーストキス 1ST KISS」(1/29)出ます。2月7日公開の映画の脚本を中心にしたオリジナルシナリオブックです。これもアマゾンの紹介文を。
数々の名作ドラマと映画を生み出してきた脚本家・坂元裕二が贈る、映画『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開・東宝)のオリジナルシナリオブックが登場!胸に響くセリフの数々を完全収録し、感動を何度でも味わえます。また、主演・松たか子による特別な寄稿文も掲載しました。映画製作の裏側や坂元裕二への想いを綴った貴重な文章で、本書ならではの読み応えも満載です。さらに、巻頭にはカラー16ページの映画スチールも収録。スクリーンで感じる感動を本書でも体験してください。
二度と会うはずのなかった亡き夫、15年前のあなたに恋をする―
結婚して十五年目、事故で夫が死んだ。夫とは長く倦怠期で、不仲なままだった。残された妻は第二の人生を歩もうとしていた矢先、タイムトラベルする術を手に入れる。戻った過去には、彼女と出会う直前の夫の姿があった。出会った頃の若き日の夫を見て、彼女は思う。わたしはやっぱりこの人のことが好きだった。夫に再会した彼女はもう一度彼と恋に落ちる。そして思う。十五年後事故死してしまう彼を救わなくては-- 。「夫婦とは?」「家族とは?」「愛する人と歩む人生とは?」人生で誰もが直面する、答えのない深くてシンプルな疑問。この物語は、それらの意味を問いかける心揺さぶるラブストーリー。
うむ、何だかおもしろそうですね。この映画、脚本が坂元裕二、監督が「アンナチュラル」「グランメゾン東京」「海に眠るダイヤモンド」等の演出でおなじみの塚原あゆ子なんですよ。いやぁ、このタッグは盛り上がるぞ。松たか子、松村北斗主演だし。映画のHPはこちら。映画見たらこの本も欲しくなりそう。
◯これまでの「出る本、出た本」はこちら!