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【書評】「花模様が怖い―謎と銃弾の短篇」-独特なにおいがする片岡ハードボイルド、たまらないなぁ

 片岡義男の小説は70年代によく読んでいた。でも、その頃は彼の恋愛小説が何冊も映画化されていた時期で、世間的には片岡義男=軟弱ってイメージがあったんじゃないかと思う。でも、なんだか良かったなぁ彼の小説って。その乾いた感じとか。その頃、ハードボイルドって言ってたのかどうかはわからないけれど。

 

 さて、片岡義男コレクションと銘打った全3冊の作品集がハヤカワ文庫から出ています。これは、絶対に「買い」!1冊目は「花模様が怖い」。片岡ハードボイルドの傑作8篇を集めたこの1冊、70年代から90年代に書かれた短篇だけど、初期のものもまったく古びてない。っていうか、当時もちょっと他にはないって感じだったのだけど、今読んでもそう思う。「狙撃者がいる」という小説がちょっとスゴい。東京に住む一人の女性が通り魔的に次々と人を撃ち殺す。主人公は動機や心情などをぶざまに吐露したりはせず、ただただ殺しまくる。アンモラルといえばまさにアンモラル。しかし、そんなことよりその描写力のスゴさにこそ注目だ。

 

 片岡ハードボイルドには独特なにおいがする。パート2は恋愛小説の傑作選、3は私立探偵アーロン・マッケルウェイシリーズ。これもはもう読むしかないっ!!

 

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