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【書評】西川美和「きのうの神さま」-映画の取材でこぼれ落ちたエピソードを小説に!

 

きのうの神さま きのうの神さま

ポプラ社 2009-04-16
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 「きのうの神さま」というこの短編集、一編を除けば映画と同じく

医療に携わる人々の物語だ。「ディア・ドクター」という話もあるの

でまぎらわしいが、映画とは基本的には関係がない。作者が最後に書

いているように、これは映画の取材でこぼれ落ちた「様々なエピソー

ドや人々の生き方を」小説として蘇らせたものなのだ。映画の原作的

な物語も読みたい気はするが、これはこれでスゴくおもしろい。

 

 西川映画のファンならば5つの短編のうち最後の「満月の代弁者」

に強く惹かれるだろう。彼女の映画の魅力は、なんといっても虚実が

ない交ぜになったストーリーだ。虚が実であり、実が虚であり、結局、

あいまいなまま…そのスレスレの感じがたまらない。さて、「満月の

代弁者」。古い港町から都会に戻る若い医者がお別れに患者の家をま

わっている。そのうちの一軒、そこには92歳の患者と彼女の面倒を見

る30代後半の孫娘がいる。その家で医者は孫娘にちょっとしたウソを

つく。「早く逝きたいよ~」とうそぶく92歳、女盛りで仕事もできる

アラフォーの孫娘。医者が彼女にささやいたのは…。いやぁ~楽しい。

2人のアブナいやり取りがたまらない!ラストも素晴らしくまさに西

川ワールドだ。セリフのうまさもさすがで、西川美和の才能を再確認

できる短編集といえる。

 

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