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【書評】ローラ・ヒレンブランド「シービスケット」-こまやかな描写とドラマチックな構成が見事!

 世界恐慌の時代、アメリカにルーズベルト大統領よりヒットラーよりクラーク・ゲーブルよりマスコミをにぎわした馬がいた、それがシービスケット。といってもこの馬、初めから名馬だったわけではない。誰もが見捨てた稀代の暴れ馬を無名の調教師が育て、片目の騎手が乗って世界最強の名馬にした。それまでには馬のドラマ、人のドラマ、まさに波瀾万丈のドラマがあって、読み始めたらなかなか巻を置くことができない。作者が女性ということにも驚くが、彼女ローラ・ヒレンブランドは当時の騎手達の悲惨な生活などこまやかな描写の積み重ねとドラマチックな構成で、まるで小説のようなノンフィクションに仕上げている。

 

 クライマックスは、三冠馬ウォーアドミラルとの2頭だけのマッチレース。いやぁ~これはもう興奮する。そして、さらにもうひとつの驚きがその後に待っている。これは言わぬが花だが、手に汗をにぎり、ドキドキしてしまう。この作者、レース描写が驚くほどうまいのだ。エピローグもとてもいい。競馬ファンに限らず誰にでも読んで欲しい一冊。

 

 映画も見たが、レースシーンがすごくてなかなか良かった。本を読んだら映画もぜひどうぞ。 

               

2010.9.28 暑い日々が終って、やっとまともな思考回路が戻ってきたような気がする。コミック「かぶく者」8巻で完結しちゃった。あ~ぁ。

 

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