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【書評】燃え殻「ボクたちはみんな大人になれなかった」-これは今年のマイベストになるかもしれない

 ううむ、不思議だなぁ。特にスタイルが新しいわけでもなく、内容が奇抜なわけでもない。それなのに強烈に心惹かれるのだ。これはもしかしたら今年のマイベストになるかもしれない。


 アートディレクターとして業界の中で何とか生き続けている43歳の主人公は、フェイスブックの「知り合いかも?」に、かつて「自分よりも好きになってしまった」昔の彼女の名前を発見し、満員電車を降りる時、人混みの中で「友達申請」の送信ボタンを押してしまう。ここから彼と彼女、2人の恋の回想が始まる。

 

  1995年夏、求人誌「デイリーan」の文通コーナーで知り合った小沢健二ファンの彼女、エクレア工場の休日にラフォーレ原宿で待ち合わせた初めてのデート、六本木のディスコ・ヴェルファーレ近くの会社でのテレビの美術制作の「配達」の仕事、関口という同期の男、東京に残された主人公にとって唯一の安全地帯だった神泉のそばのラブホテル、仕事に明け暮れる喧騒の日々、彼女の「キミは大丈夫だよ、おもしろいもん」という言葉…、そして、1999年夏の渋谷ロフト…。いつまでも思い出にさせてくれない彼女との思い出。


 読み終わった今も何がどう自分の心を揺さぶったのかがよく分からないのだけど、どこかでこの景色やこの気分、この物語にあるいろいろなものを知っている気がする。若者たちにも人気のようだが、今の若い人の心をこの小説が掴んだのだとしたら、それはそういうもろもろがきっと「永遠」だからじゃないのだろうか。

 

 2017.8.31 さぁ8月も終わり。残暑なんてありませんように!というか、今日のサッカー代表戦、なんとか勝って欲しい。読書は佐藤正午「夏の情婦」。

 

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