また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評・感想、出た本出る本など、本関連の最新ニュースを届けます。

【書評】椎名誠「大きな約束」正続-じいじいになったシーナ氏は何を思う?

 これは「岳物語」「続 岳物語」「春画」「かえっていく場所」と続くシーナ的私小説シリーズの最新刊だ。椎名誠ファンの僕は前の4冊は全部読んでいる。このシリーズ、息子である岳との交流を描いた「岳物語」が大ヒットし、累計で400万部突破というからスゴい。さて、その岳少年だが、19歳で渡米し、ずっとアメリカ暮らし。今ではなんと風太くん、海ちゃんという兄妹の父親である。

 

 家族の物語であったこのシリーズだが、この「大きな約束」正続2冊では家族がみんなバラバラに暮らしていて、シーナ氏の身辺雑記の感が強くなっている。そんな中で、風太くんが東京の「じいじい」にかけて来る電話が清涼剤的な役割をはたしていて何ともいい。彼が電話の向こうからじいじいに問いかける。「なんでハナにはハナクソが入っているんだ?」「なんでナルトはグルグルなんだ?」、風太くんとの電話にシーナ氏はいつもちょっと緊張しながら対応している。その感じがまたいい。そして彼は思うのだ。「いま自分は、ようやく人生のなかでいちばん落ちついたいい時代を迎えているのかもしれないな」と。長い家族の時間を経た後でのこの言葉が胸を打つ。

 

 「続 大きな約束」では岳一家が帰国を決める。風太くんと妹の海ちゃんが側にやってきてシーナ氏の日常はどのように変わるのか。続巻がまたまた楽しみである。

 

2012.7.13 じゃ~ん、13日の金曜日。なんだか心煩わせることがいろいろあってヤになっちゃう。しかも、ジトジトしてるし。読書はリュドミラ・ウリツカヤ「女が嘘をつくとき」。

 

【書評ランキングに参加中】

ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ