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【スポーツ】赤坂英一「2番打者論」-2番打者が野球の未来を変えるのか?

 思っていた以上におもしろかった。これは野球ファン必読。普通に野球好き、という人も読んでみたらいい。球場やテレビでの観戦がさらに楽しくなるはずだ。

 

 構成が巧みだ。プロローグで登場するのはドラゴンズの2番打者である井端弘和。2011年のクライマックスシリーズ、誰もがバントで送ると思っていた場面でインコースを思いっきり引っ張り、ホームランにした男だ。それはシリーズの行方を決める決勝打になった。彼はこの時、最初からあわよくばホームランを、と考えていたという。2番打者というとどうしてもバントのイメージが強い。「2番打者論」という本をこんなエピソードで始められたら立ち読みなんて不可能。すぐにレジに持っていくしかないだろう。

 

 この井端を筆頭にこの本ではバントの神様川相、選手ながら攻撃の采配を振るっていたという新井宏昌、攻撃的2番バッター栗山巧、簑田や小笠原を育てた名将上田利治。さらに、三原魔術が育てた強打の2番豊田泰光、次代を担う田中浩康と本田雄一、メジャーの2番打者田口壮など新旧の巧打者たちが登場する。

 

 彼らの話はすこぶるおもしろい。出塁した1番打者をどう盗塁させるか、どう進塁させるか。そのために「深いカウント」にするにはどうすればいいのか。「深いカウント」というのは3ボール1ストライクとか3ボール2ストライクのこと。そこまで持っていって狙った球を相手投手に投げさせる。2番打者には投手を迷わせる演技力も必要なのだ。どうです、おもしろそうでしょう?

 

 バントの巧さは最低条件。今は様々なタイプの2番打者が生まれつつある。これは2番打者の未来を語るとともに、野球の未来をも語るスポーツノンフィクションの傑作だ。

  

2012.8.7 なでしこ、やったぁ!そして、今夜は男子。こうなったら男女共決勝進出だな。すごい。あっ、卓球女子団体の決勝も見ますよ。読書は小川洋子「最果てアーケード」が終わり、三木卓「K」へ。

 

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