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【書評】宮部みゆき「ソロモンの偽証6 負の方程式」-本編とシンクロして見事な書き下ろし中編

 さて、「ソロモンの偽証」文庫化にともなって、最後の6巻に書き下ろしが付いちゃってる「問題」については、ここで書きました。で、どうしよう?と思ったのですが、結局、図書館で借りて書き下ろしだけ読みました。買っちゃうのはくやしいし。

 

 主役の1人藤野涼子の20年後を描いたという「負の方程式」という中編ですが、うううううむ、素晴らしかった。まいったなぁ、まったくもう‥宮部みゆき、スゴすぎる。

 

 ここからはややネタバレになるので、未読で読みたくなっちゃった人はとばしてください。まぁ、発売から随分たったので知ってる人は知ってるでしょうが、語り手はなんと「ペテロの葬列」等の杉村三郎なんです。私立探偵になっちゃってる杉村と弁護士になっちゃってる藤野涼子がある中学で起こった事件のことで出会う。

 

 すごいのはですねぇ、見事にこれが本編とシンクロしてること。そして、最後の最後に見せる藤野涼子の怒りの理由!これはねぇ、くやしいけれど、読んだほうがいいです。宮部みゆきの凄味を再確認することになるでしょう。で、この最後のフレーズって‥再会がある???ううむ。

                          

 ◯「ソロモンの偽証」を含む宮部みゆきの本のレビューはこちら

 

 

2015.4.22 加瀬邦彦さん亡くなっちゃったんだなぁ。ワイルドワンズけっこう好きだった。読書は絲山秋子「離陸」。

 

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