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【アート/書評】「原田マハの印象派物語」-画家入門、印象派入門としてもぴったり!ビジュアルが多いのもうれしい一冊

 新潮社のビジュアルブック・シリーズ「とんぼの本」の一冊。この本の中心になっている内容は「芸術新潮」2018年6月号の特集、それを再編集したものだ。ビジュアルブックだから絵の写真が多く収録されているのがいいし、サクサク読めるのがうれしい。

 

 メインになるのは「愚か者たちのセブン・ストーリーズ」と名付けられた物語たちだ。モネ、モリゾとマネ、メアリー・カサットとドガ、ルノワール、カイユボット、セザンヌ、ゴッホ、画家たちそれぞれの物語が印象的なエピソードと共に語られている。それほど長い文章ではないのだが、さすが原田マハ!とても上手くまとまっていて、彼らのことを知るにはとてもいい話になっている。文章の最後に生涯をまとめた年表があるのもうれしい。画家入門として、あるいは印象派入門として最適だし、少し上級者にも十分に楽しめる内容だ。

 

  その後の「ノルマンディー紀行」は原田さんがモネの足跡を追い、訪れた土地土地の様子をリポートしたもの。大聖堂を描いたルーアン、印象派の由来となった「印象、日の出」を描いた町ル・アーブルが特に印象に残る。作品とリンクした現地の写真も入っていてページをくる手を止めて見入る。

 

 巻末には三菱一号館美術館の館長である高橋明也氏と原田さんの対談が収録されている。ナビ派の話、変わり続けるオルセー美術館の話、クールべやルソーの絵のことなどなど読み応えのある内容。おもしろかった。おすすめ!!

DATE◆「原田マハの印象派物語」(とんぼの本)1600円(税別)

 

◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)

 

誰もが愚かで、頑固だった。

印象派、始まりの物語。

 

2019.8.27 愛犬ひなたが歯から来る病気でちょっと心配。読書はチョ・ナムジュ「82年生まれ、キム・ジヨン」が終わったところ。

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