福田さんは「ほぼ日」などでずっと気になってはいたのだけど、カズオ・イシグロの最新作「クララとお日さま」の装画を見て、おぉやっぱりこの人は素晴らしいと思い、ホームページを探したりした。そして、この作品集を発見!最初のは2015年発売で159ページ、2の方は2020年発売で233ページ。見た感じは倍ぐらいの厚みがある。彼の絵の魅力を知るだけならば2だけでもいいのだけど、1にはブックデザイナーの名久井直子さんとの対談があってこれは初期の福田利之が分かってとても楽しい。さらに「HOW TO DRAW」のコーナー?ではコラージュ技法の作品の制作過程が詳しく紹介されていてこれも貴重。というわけで、1も2も読んで欲しい。それにしても、そうか、こういうイラストはコラージュだったのか!!
福田さんの作品の魅力は文字で伝えるよりも見てもらった方がずっと早いのだけど、たとえば表現の技術、たとえば造形の力、たとえば色使い。いやいやいやこういうこともやっちゃうのねという表現の多彩さ!あれまあれまあれまここでこうしちゃうんだという造形の驚き!ドキドキドッキンあ〜切ないわぁの色使い!
動物たちがいる、鳥がいる、虫がいる、花や木々がいて人と人がいる。イラストのようでもあり、アートのようでもあり、悲しみのようでもあり、喜びのようでもある。とにかくこれはまぎれもないオリジナルな表現で、どこを開いても心のどこかを刺激する。いろいろと想像する楽しみもある。これからもきっと変わらないものと変わるものがあるんだろうな。彼の表現をずっと追いかけていきたい。