さて出る本。佐藤正午「冬に子供が生まれる」(1/30)、いよいよ発売です。直木賞を受賞した「月の満ち欠け」から7年ぶりの新作長編。いやぁ、下のアマゾンの紹介文を読むだけでなんだかドキドキしてきます。
その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。
現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。
彼が目にしたのはこんな一文だった。
今年の冬、彼女はおまえの子供を産む
これは未来の予言。
起こりうるはずのない未来の予言。
だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。
これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。
そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。
丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。
三十年前にかわした密かな約束、
二十年前に山道で起きた事故、
不可解な最期を遂げた旧友……
平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。
『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!
帯の一行は「みんなには内緒な?」。う〜ん、いろいろ気になるな。早速読みたい!!!
文庫化です。金原ひとみ「アンソーシャルディスタンス 」、新潮文庫から出ました。谷崎潤一郎賞受賞作。僕の2021年のベスト1でもあります。これはもう強烈!5つの短編を通して感じるのは「コロナの時代のリアル」。いやいやすごいです。アマゾンの紹介文を。
心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、高アルコール飲料に依存する女。(「ストロングゼロ」)
十歳年下の彼氏の肌の若さに当てられ、整形沼へ走る女。(「デバッガ―」)夫から逃げだしたのに、今度は不倫相手に振り回される女。(「コンスキエンティア」)
生きる糧だった推しのライブが中止になり、彼氏と豪遊の心中旅行に繰り出す女。(「アンソーシャル ディスタンス」)
恋人と会えない孤独の日々の中、性欲と激辛欲が荒ぶる女。(「テクノブレイク」)
絶望に溺れる手で掴んだものが間違っていたとしても、それは私が今を生き抜くために、どうしても必要な希望だった。
女性たちの疾走人生を鮮烈に描く五つの短編。
個人的には「ストロングゼロ」と「デバッガー」が好き。未読の人はぜひぜひ!!!僕の書評を読んでみてください。
◯「アンソーシャルディスタンス 」、僕の書評はこちら!!
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