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【文学賞】第171回芥川賞・直木賞(令和6年上半期)が決まりました。芥川賞は朝比奈秋さんと松永K三蔵さん、直木賞は一穂ミチさんでした!

◯朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」(新潮5月号)

 

◯松永K三蔵「バリ山行」(群像3月号)

 

【直木賞受賞作】

◯一穂ミチ『ツミデミック』

 2024年上半期の芥川賞、直木賞が決まりました。芥川賞は朝比奈秋さん「サンショウウオの四十九日」松永K三蔵さん「バリ山行」、直木賞は一穂ミチさん「ツミデミック」でした。パチパチパチ!!

 朝比奈秋さん「サンショウウオの四十九日」は一番気になっていた作品だったのでよかったです。アマゾンの紹介文を

同じ身体を生きる姉妹、その驚きに満ちた普通の人生を描く、芥川賞候補作。
周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか――三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。

 ねっ!これを読んだだけでも気になるでしょう?朝比奈さんは「植物少女」三島由紀夫賞「あなたの燃える左手で」泉鏡花文学賞、野間文芸新人賞を受賞されてる注目の男性作家です。男性、と一応入れてみました。

 さて、松永K三蔵さん「バリ山行」、これノミネートの時に調べたのですが情報が少なかったのですが。まずはアマゾンの紹介文を

第171回芥川賞候補作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。

「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋)

会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。

 ふむ、バリ山行ってそういう意味なんですね。他の記事を読むと「バリエーションルート」って書いてありました。なるほど!!バリ島は関係ないのね。山好きの知人がいるけどコレあげちゃおうかな!

 

【他の芥川賞候補】

 

◯坂崎かおる「海岸通り」(文學界2月号)

 

◯向坂くじら「いなくなくならなくならないで」(文藝夏季号)

 

 直木賞は一穂ミチさん「ツミデミック」、一穂さんは3度目のノミネートで受賞です。この中では一番馴染みがある作家なんですが、今回は「地雷グリコ」の方が気になってました。一穂さん、上手いんだよな。アマゾンの紹介文を。

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」  調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」  先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話。

 これも短編集ですね。稀代のストーリーテラー!まさしく!うむ、よかった、よかった。

 

【他の直木賞候補】

◯青崎有吾『地雷グリコ』

 

◯麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』

 

◯岩井圭也『われは熊楠』

 

◯柚木麻子 『あいにくあんたのためじゃない』

 

◯これまでの芥川賞・直木賞関連の記事はこちらから!

 

 

 

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