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【絵本/感想】ヨシタケシンスケ「ちょっぴりながもちするそうです」ーこうやって心をどこかに飛ばしちゃうことが大切なんだよなぁ、と思ったりする


 「あつかったらぬげばいい」「かみはこんなにくちゃくちゃだけど」に続く「MOEのえほん」の「心がちょっぴり軽くなる絵本シリーズ」第3弾。ヨシタケ流の「おまじない絵本」だそうだ。前2冊と同じで見開きでパッパッと完結していくスタイルが楽しい。本自体も正方形のかわいいサイズで名久井直子さんの装丁も素敵だ。

 で、どんなおまじない?最初は「けしゴムを立てておくと」「なんとかなるんじゃないかしら、という気持ちが、ちょっぴりながもちするそうです」。おっ、早速タイトルが!こんな感じでどんどんと続いていく。ヨシタケさんのあの絵が、このワールドをグイグイッと押し広げて行くような感じがする。

 個人的に好きなのは「だれかのアクビを見かけると」→「寿命が5分、のびるそうです」、「さびしい気持ちでいっぱいになると」→「地下深くの水晶が10倍のスピードで成長するそうです」、「夜中、一人で小おどりすると」→「サバンナのまんなかで、ヌーがごちそうにありつけるそうです」などなど。うむ。いや、これっておまじない?と思ったりしないこともないけど、こうやって心をどこかに飛ばしちゃうことが大切なんだよなぁ。なんだかこういうのっていい。

 最後はしっかりオチもついてめでたし、めでたし。これもまた見事なぐらいのヨシタケワールド!よしよし!!
◆DATA ヨシタケシンスケ「ちょっぴりながもちするそうです」(白泉社)

 

◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)