ちょっと遅くなっちゃいましたが去年のマイベスト、発表です。去年はなんだかうまく本が読めなかった。読書の時間がちゃんと取れなかったし、ちょっと細切れになって集中力もなかった。歳を取ったせい?かもしれないなぁ、ううむ。今年はもっとゆったり集中した読書ができますように!!で、ベスト10、こんな感じです。(タイトル下から僕の書評にいけます)
1佐藤正午「冬に子供が生まれる」
う~ん、すごく迷ったというか、抜けたのがなかったので簡単に決められなかったのだけど、佐藤正午「冬に子供が生まれる」を1位にしました。今でもこの奇妙な物語が自分の頭の中にしっかりと残っていて、いろいろなシーンやいろいろな言葉が蘇ってくる。佐藤正午ワールドは以前よりさらに深く進化していて読者は戸惑いながらもその進化を楽しんでいる。この人、これからどうなるんだろう?次の作品もすごくいいと聞いています。楽しみ!2位以下は次の通りです。
2金原ひとみ「ナチュラルボーンチキン」
3恩田陸「spring」
4宮島未奈「成瀬は信じた道を行く」
5伊藤亜和「存在の耐えられない愛おしさ」
6内田麟太郎・nakaban「ひとのなみだ 」
7大田ステファニー歓人「みどりいせき」
8 内澤旬子「私はヤギになりたい」
9 ヒコロヒー「黙って喋って」
10 朝井リョウ「生殖記」
(書評まだ)
2、3、4位は女性の小説でどれも強力!金原ひとみ「ナチュラルボーンチキン」は、ゆえあって孤独でつまらない暮らしを続けている45歳の女性の再生の物語。出会いが彼女を救うのだ!「spring」はバレエの天才ダンサーで振付師として世界の頂点を極めた若者の物語。まさにクリエイティブの現場に読者が立ち会っているような恩田陸のバレエ作品の描写が感動的。宮島未奈「成瀬は信じた道を行く」にはちょっと驚いた。本屋大賞受賞の前作「成瀬は天下を取りにいく」より、こちらの方が断然いい。デビュー2作目、すごい進化だと思う。
エッセイが2つ。5位の「存在の耐えられない愛おしさ」の伊藤亜和はnoteから生まれたスーパーエッセイスト!これは、というかこの人はオモロいよぉ。未読の人は読んだ方がいい!8位の内澤旬子「私はヤギになりたい」は「カヨと私」に続くヤギ飼いエッセイ。この2冊を読んだらヤギワールドから離れられなくなる。いやいや、ヤギすごし!
絵本が1冊、6位の内田麟太郎・文、nakaban・絵の「ひとのなみだ 」は本当に力強い反戦の絵本。nakabanの絵に強く心を惹かれる。ぜひ!!
新しい人、三島由紀夫賞も受賞している7位「みどりいせき」の大田ステファニー歓人は文体自体がおもしろい。戸惑いながら読み始めたのだけど、いやいや全然大丈夫!っていうか、この話、いいぞ。そして、9位の「黙って喋って」はご存知ヒコロヒーの短編集。恋愛中の女性たちの様々な思いをすくい上げていて見事!早く長編を書いてください。
海外のものをあまり読まないけれどシルヴィア・プラスの「ベル・ジャー」がよかったので入れようと思ったのだけど60年以上前の小説なので、10位は結局、朝井リョウ「生殖記」に。勝手に想像していたものとは全然違う話だったのだけど、朝井リョウ、なんだかすごい領域に入ろうとしてる。うむ。
最後に「今年読んだけど、今年刊行ではない本のトップ5」も紹介。1位だけちょっと書いておくと、ここにも金原ひとみが!これはウルトラノーマルの人々へのエールの物語。普通であることを恥じることなどこれっぽっちもない。ちゃんと自分を生きればそれでいいのだ!
1金原ひとみ「ハジケテマザレ」
2坂元裕二「それでも、生きてゆく」
3ウルバノヴィチ香苗「まめで四角でやわらかで 上・下」
4西加奈子「わたしに会いたい」
5片岡義男「カレーライスと餃子ライス」
◯これまでのマイベストブックはこちら!