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母一人子一人&父四人!?伊坂幸太郎の「オー!ファーザー」。

大団円へ!計算されつくされた4人の父親のキャラ。

オー!ファーザーオー!ファーザー
伊坂 幸太郎

新潮社 2010-03
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 この小説、「父親が4人」というのがまずおかしい。主人公由紀夫の

母和代に惚れた4人の男がなぜかひとつ屋根の下に住んでいる。母一人

子一人&父四人というなんだかわからん家族だ。父親4人のキャラが計

算されつくされている。ギャンブル狂の鷹、格闘好きの中学教師勲、無

類の女好き葵、そして、博覧強記の大学教授悟。ははは、だ。

 さて、物語。ミステリーのわりにはなかなか事件が動かない。冒頭か

ら4分の1ぐらいで何かが始まるがそれも、不穏な動き、という程度で

何が起こっているのかは見えてこない。少しイライラしないわけではな

いが、それでも十分におもしろいのは伊坂の優れた文章力、特に会話の

うまさがあればこそだ。由紀夫、4人の父、由紀夫の級友多恵子、街の

顔役富田林などなど、人がよく動き、よくしゃべる。そして街は赤羽氏

と白石氏による「紅白県知事選」の真っ最中。う~む、これもなんだか

怪しい気配…。登校拒否の級友や出張で早々に姿を消した母和代も気に

かかる。

 残り4分の1から大きく事件が動き大団円へと突入するのだが、ここ

でのハチャメチャぶりは父親たちのキャラに負うところが大きい。そり

ゃそうでしょ、そのためにこのとんでもない父親たちがいるのだから!

ミステリーとしては少々物足りなさも感じるのだが、物語としては上出

来。先を急いで読みたくなる極上のエンタテイメント小説だ。

◎「オー!ファーザー」は2013年6月26日、新潮文庫で文庫化されました。

オー!ファーザー (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
4101250278

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