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【映像化】映画「永い言い訳」明日14日封切り。原作は西川監督の同名小説

 いやぁ、これは楽しみ。原作の小説「永い言い訳」は昨年の僕のマイベスト1でした。ダメダメな小説家が突然妻を亡くし、それでもダメダメなのだけどある出会いを通して変わっていく、という物語。こう書くとパターン化された物語のように思うかもしれませんが、そんなことはまったくないです。旧ブログで書いた僕の書評を引用してみます。

 

【書評】西川美和永い言い訳

◇しょうもない小説家が妻の死を通して気づく人生の痛恨!

 映画監督でもある西川美和、小説家としての成長を感じさせる見事な
一編だ。主人公は「衣笠幸夫」だという。のっけからカウンターパンチ
だ。その名前の話から始まるこの物語はしばらくはどこに向かって進む
のか行方がわからない。読み進めると、なんと幸夫の妻夏子がバスの事
故で死んでしまう。小説家・津村啓でもある幸夫は身勝手極まりない男
で、しかも夏子との間は完全に冷め切っていた。それでも「妻を亡くし
た悲劇の小説家」を演じたりもするのだが…。

 大きな転換点が訪れる。夏子の友人で共に事故死したゆきの家族、大
宮陽一と真平・灯兄妹との出会いだ。忙しいトラック運転手の陽一に代
わって兄妹と接しているうちに幸夫の心に今までとは違う感情が芽生え
てくる。彼には夏子を亡くした喪失感などない。だって、愛してなかっ
たんだもん。でも、幸夫は物語の終盤で「愛するべき日々に愛すること
を怠ったことの、代償は小さくはない」ことに気がつく。夏子としっか
りと向き合わなかったこと、自分のことだけしか考えて生きてこなかっ
たことへの痛恨!悔恨!彼は最後に「人生は他者だ」と気づき、初めて
夏子の死を悲しむのだ。

 西川美和は一人称、三人称と語り口を変え、さらに語る人を代えなが
ら、このしょうもない小説家の変化を立体的に描いていく。映画がよく
て小説も素晴らしくて、困っちゃうなぁ西川美和!あ、で、これ、彼女
自身が映画化するらしい。観たいぞ、観たいぞ、早く観たいぞ。
                      (2015.11.17記)

 

 西川監督はもちろん映画も素晴らしく、「ゆれる」や「ディア・ドクター」は大好きです。今回はまず自らの原作ありき、という新しいスタイル。どんな映画になるのかなぁ?とにかくこれは楽しみな一作です。主人公の衣笠幸夫には本木雅弘、死んだ妻は深津絵里、大宮陽一が竹原ピストル、他にも黒木華池松壮亮と配役も豪華。詳しくは公式ホームページを。原作は文庫になっているのでぜひぜひ。

 


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