ちょっと掲載が遅くなりましたが、手塚治虫文化賞、発表になりました。大賞は有間しのぶさんの「その女、ジルバ」。ううむ、これはまったく予想してなかったなぁ。完結した「海街diary」が取るのではないかと勝手に思っていました。
朝日新聞の記事によると「今年はものすごく水準が高い」と選考委員が口を揃えたそうですが、「その女、ジルバ」は
「女性の日常をベースに、日本の戦後七十余年を総括する壮大な物語」(桜庭)と、多くの支持を集めた。
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ちょっと掲載が遅くなりましたが、手塚治虫文化賞、発表になりました。大賞は有間しのぶさんの「その女、ジルバ」。ううむ、これはまったく予想してなかったなぁ。完結した「海街diary」が取るのではないかと勝手に思っていました。
朝日新聞の記事によると「今年はものすごく水準が高い」と選考委員が口を揃えたそうですが、「その女、ジルバ」は
「女性の日常をベースに、日本の戦後七十余年を総括する壮大な物語」(桜庭)と、多くの支持を集めた。
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なぜか猫本ブーム。これは、作家の村山由佳さんと愛猫もみじの物語。う〜ん、なんだかやたらと泣けた。こんなに泣くとは思っていなかった。本には写真も収録されているが、もみじという猫は凛々しく美しくかわいい。とはいえ彼女、17歳の三毛猫、5匹いる村山家の猫の最長老だ。まぁ猫だって犬だって人間だって?かわいいものは幾つになってもかわいい。村山さんにとってもみじは、産まれた時に自分で取り上げ、それからズッと一緒。すでに離れがたい存在なのだ。
さすが、と思うのはこういう愛猫エッセイを書いても、村山由佳は細部の描写がリアルで細やか。この細やかさと素直な感情表現がエッセイ全体を支えている。
2017年の6月。もみじに癌が見つかる。口の中の扁平上皮癌。平均余命3ヵ月?これは愛する猫が亡くなるまでの物語でもある。旦那さん1号、2号、今の同居人である「背の君」とのこと、もみじとのこれまでのいろいろを交えながら話は進んでいく。3章の「見送る覚悟」、4章の「いつか、同じ場所へ」では、まさにもみじとの最後の日々が綴られていて、読んでいるこちらも村山さんや周囲の人々同様、胸苦しくなってくる。本当に辛いのだ。
同時に村山さんのもみじへの愛、もみじの村山さんへの思いがしっかりと伝わってきて、たまらない。時々、擬人化されるもみじは関西弁でつぶやく。これがまた何だかピッタリでグッとくる。
皆さん、お見舞いたくさん、おおきに。
うちな、いま、ゆっくりゆっくり、船出のしたくしてまんの。
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出た本。野木亜紀子「獣になれない私たちシナリオブック」出ました。ドラマ、おもしろかったなぁ。けっこう気になるフレーズがあったからチェックしたいぞ。うむ。
出る本。山極寿一、小川洋子「ゴリラの森、言葉の海」(4/25)出ます。内容はアマゾンの紹介から。
ゴリラを知ることはヒトが自ら何者かを知ること――物語の森に住む小説家と野生の眼を持つ霊長類学者。京大の研究室や屋久島の原生林の中での二人の対話から、ゴリラとヒトが紡ぐ物語が鮮やかに浮かび上がる。現代を生きるヒトの本性をめぐる、発見に満ちた知のフィールドワーク。
小川さんは動物に対する造詣も深いからなぁ。これはかなりおもしろ対談になっているような気がします。期待!!!わっ、表紙がいい!!!
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さてさて、この時期恒例の三島賞、山本賞のノミネート作品の発表がありました。まずは三島由紀夫賞のノミネート5作です。
◯倉数茂「名もなき王国」
◯三国美代子「いかれころ」
◯岸政彦「図書室」
◯金子薫「壺中に天あり獣あり」
◯宮下遼「青痣」
未刊行が3冊あります。ううむ、岸さん、金子薫さんは少しは分かるけれど。これはどれが選ばれるのかまったく予想がつきません。三島賞は「文学の前途を拓く新鋭の作品」と定義されています。
では、山本周五郎賞のノミネート5作です。
続きを読むおぉぉぉぉ!小野不由美の最高傑作「十二国記」シリーズの新作長編、ついに発売日が決まりました。昨年末に400字×約2500枚という超大作の第一稿がアップしたというニュースはお知らせしましたが、ついに正式決定です。新潮社のFacebookでのお知らせをご覧ください。
新潮文庫で10月12日に1、2巻、そして11月9日に3、4巻が発売になります。いやいやいや、いったい何年待ったんだ?ううううむ、今から興奮する。「十二国記」については前のお知らせの時に熱く語っちゃったので、まずはそちらをお読みください。
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第7回山田風太郎賞を受賞し、2016年の週刊文春ミステリーベスト10でも国内部門1位に輝いた塩田武士の「罪の声」の映画化が決定しました。おぉ、これはうれしいぞ。しかも、脚本が「逃げ恥」などの野木亜紀子!!野木さんはNHKの「フェイクニュース」でも切れ味鋭く今の時代を描いていたので、こういうテーマも得意なはず。とても楽しみです。
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副題に「NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。」とある。これはEテレで放送された「ネコメンタリー」という番組の内容を一冊にまとめた本だ。角田光代、吉田修一、村山由佳、柚月裕子、保坂和志、そして、養老孟司。そうそうたるメンバーの作家たちと愛猫たちの物語。テレビでは、作家と猫の日常がちょっとクールな感じで描かれていて、僕は好きだった。
本書ではその内容を活字化、猫たちの写真や作家たちの番組書き下ろし短編も収録されているが、映像と活字ではやはり手触りが違うので、まったく違うものとして楽しむことができる。とにもかくにも、猫たちの写真をじっくりと見られるのがうれしい。
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